Blog
記事・ブログ

OKRとは?KPIやMBOとの違いや導入方法、導入事例を紹介

2021.09.18
OKRとは?KPIやMBOとの違いや導入方法、導入事例を紹介

近年、GoogleやFacebookなどの有名グローバル企業で導入されたことで非常に注目を集めている、OKR(目標管理手法)をご存じでしょうか。

この記事では、OKRとは何か、KPI・MBOとの違い、OKRのメリット、導入方法などをまとめて解説していきます。

OKRの導入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

OKRとは

OKRとはObjectives and Key Resultsの略で、目標と主要な結果という意味です。「組織の目標」と「個人の目標」を連携させる業績管理手法の1つで、革新的な目標設定・管理の手法として脚光を浴びています。

米国インテル社にて誕生し、シリコンバレーの有名企業を初めとして、メルカリなどの日系有名企業も導入している目標の設定・管理手法です。

主な特徴は、KPIやMBOといった従来の目標計画方法と比較して、高い頻度で「設定・追跡・再評価」ができるという点があげられます。

OKRは目標を感覚的に設定したり、単純で分かりやすい「売上」等の数字を安易に目標として設定する事例を防具ことが可能です。目標をロジカルで客観的に設定できるので、社員からの理解を得やすく、目標への集中力やエンゲージメントを高められるでしょう。

加えて、OKRのゴールは全社員が同じ方向を向いて、明確な目標の優先順位を持つことで、効率的に計画を進行できます。会社が組織として定める目標と、一緒に働く社員の目標を紐づけられることも大きな特徴です。

OKRを構成する要素

OKRを構成している要素は、O(目標)とKR(主要な結果)の2つです。「O」はいうまでもなく成し遂げたい事柄を指します。「KR」は、目標達成のために必要な成果の指標です。社内では経営陣の「O」や社員の「O」、同じく経営陣の「KR」と社員の「KR」という具合に、組織の階層に応じて設定していきます。

以下では、各要素について深堀りして、それぞれの意味を確かめていきましょう。

目標(O:Objectives)

企業において達成すべき目標が、「O」です。ただし、何でも良いから定めれば良いわけではありません。特に重要なのが、「シンプルなこと」と「定性的であること」です。シンプルさは社内で意思を共有するために欠かせません。複雑だと社員が理解できない可能性がある他、せっかく設定した目標を忘れてしまいがちです。

定性的とは、数値化できないという意味となります。そのため、「売上50%増」というような目標は適していません。具体的には「シェアの拡大」や「事業の多角化」などで構わないのです。

ちなみに、OKRは四半期から1ヵ月ほどで評価します。このため、1ヵ月から数か月で達成できる目的を定めるようにしましょう。比較的短期間で達成でき、シンプルで社員のモチベーションを向上させるような内容が好ましいです。

まとめると、以下の要素が大切となります。

  • シンプルで忘れにくい
  • モチベーションを高める
  • 定性的
  • 1ヶ月から3ヶ月で達成できる

主要な結果(KR:Key Results)

「KR」は上記のように設定した「O」の達成度合いを評価するための要素です。「O」では目標は分かってもどの程度達成したかが不透明なので、「KR」では数値化できる定量的な目標を定めます。ここでは、達成は可能なものの努力が必要な目標を設定するのが好ましいでしょう。「野心的な目標」を掲げ、数値によって判断します。

また、達成度は100%にこだわる必要はありません。頑張れば何とか、シェアを10%拡大できるけれど、実際には6~7%が妥当なケースを考えてみます。この場合、目標は「シェア10%拡大」で構いません。たとえ実現できなくても、充分、達成できる見込みがある目標を掲げるべきです。

なお、「KR」は基本的に、1個の「O」につき、2~5個程度設置するのが好ましいといわれています。「KR」が多すぎると計画が複雑化し、取り組みに偏りがでるためです。

まとめると、以下の4点となります。

  • 定量的
  • 頑張れば達成できそうなゴール
  • 数は2〜5個
  • 60%〜70%の達成度で成功と判定

OKRとKPI・MBOの違い

ここまではOKRの意味について紹介してきました。しかし、これだけでは従来のKPIやMBOとの違いが分からず、どの手法を使うべきか悩んでしまう人もいるでしょう。

そこで以下では、KPIやMBOとの違いをまとめていきます。

KPIとの違い

KPIとOKRの最大の違いは、最終的な目的が異なる点にあります。まず、KPIは目標を数値化して、達成までのプロセスを明確にするのが目的です。対してOKRは目標に対して全社員で取り組み、改善を推し進めるための仕組みを作ることを目的とします。

このため、前者では100%の目標達成を目指しますが、OKRはその必要性がありません。60%でも70%でも良く、最終的に社内のモチベーションや生産性が高まる仕組みを用意するのを目的とすることも可能です。

MBOとの違い

MBOは基本的に半年から1年かけて、じっくりと目標達成に取り組むのが特徴です。これに対してOKRは、1ヵ月から四半期程度の、比較的短いスパンで計画を立てます。MBOは基本的に、業績に応じて社員を評価する仕組みですから、このようにやや長めの期間を設けるわけです。

目標の共有範囲は狭く、担当部署内や上司と本人だけにとどまることも珍しくありません。対してOKRは社員の業績ではなく、企業全体を評価します。このため、目標の共有範囲がMBOより広いのです。

OKRのメリット

OKRの特徴などについて解説しましたが、ではOKRを導入することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

ここではOKRのメリットを3つ紹介していきます。

  • 目標を共有できる
  • 社内のコミュニケーションが活発に
  • 優先順位を設けて無駄なく作業できる

新しいから、話題だからと安易に導入するのではなく、戦略的に検討するために押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

目標を共有できる

企業の組織構成は一般的に、経営陣を頂点として、その下に部門部署があり、最終的に社員個人が存在します。つまり、ピラミッド型を形成しているわけです。

従来の目標設定方法では、経営陣の掲げる目標が社員の考える目標と離れていて機能していない、というのも珍しくありませんでした。

しかし、OKRはピラミッドの頂点だけでなく、部門部署でも個別の目標を作ります。もちろん、この部門部署ごとの目標は、最上位の目標を達成するために必要な事項にしなければいけません。さらに、社員に対しても達成すべき目標を設定するため、頂点から下層に向けて互いに関連性のある目標を用意して、社内で目指すべきゴールを共有できるのがメリットです。

トップの目標と下層の目標が連結されているため、どこかで意思が分断されるリスクが軽減できます。また、個人の目標達成具合が全体にどのように影響しているかも把握が可能です。社員からすれば、自身の貢献が会社の目標達成に関わっていることが明確化されるので、意欲的に取り組めるでしょう。自身が何をやっているのか分からないと、モチベーションは高まりません。また、目標に向けてその日やるべきタスクが明確化することで、ただ目標もなく淡々と業務をこなして毎日同じことの繰り返しになってしまうのを防ぎ、日々の業務にメリハリが生まれます。

社内のコミュニケーションが活発に

OKRで定めた目標をクリアするためには、個々の努力だけでは不充分なケースが珍しくありません。そこで大切になってくるのが、他者と協力してより高い成果を目指すことです。部署やチーム内はもちろん、他の部門とも協力すれば成果が高まります。無理に会社が働きかけなくても、自発的に自然と、社員同士が力を合わせる風潮ができあがるでしょう。

このようにして、社員は自発的に他者と相談したり、協力したりしてコミュニケーションが密になっていく効果があります。これまでは交流がなかった社員同士が、話をするきっかけにもなるでしょう。もちろん、上司や部下、役員などの垣根を超えて活発な意思疎通が期待できます。

コミュニケーションが活性化されると、生産性や社員満足度の向上はもちろん、企業の信用度を高める効果も期待可能です。

OKRは企業全体と個人の目標が結びついているため、コミュニケーションを取りながら協力して一人ひとりの業務のレベルを上げていくことで、企業全体で高い成果が得られるようになり、企業ブランドに対しての信用度向上にもつながるでしょう。

何かとメリットが多いため、コミュニケーションを自然に増やすためにOKRを取り入れるのも悪くありません。

優先順位を設けて無駄なく作業できる

OKRを導入すると、先述の通りトップから社員に向けて、取り組むべき目標が整理されます。誰が何をすべきか明確になるので、業務上の無駄を省けるのがメリットです。意思統一ができていない企業では、どうしても部門によって考え方がバラバラになったり、個人個人で取り組みの方向性に違いが見られたりします。

OKRを使うと、社員は自身が何をすれば主要な目的に貢献できるかを簡単に把握できるのが魅力です。よって、社員が不必要なタスクに集中してしまうといった、不用意な行動を減らせます。

OKRの導入方法

OKRは導入する企業に応じて、柔軟な形で取り入れることが大切です。マニュアル通りに目標を設定しても、それが会社の事情とかけ離れているなら、きちんと機能しません。うまく活用している企業は、型通りに導入するのではなく自社にフィットするように工夫しています。

導入する際には、まず「O」を設定するのが第一段階です。定性的な目標で、1つでも良いですし複数でも構いません。ただ、数が多いと混乱してしまうので、必要な分に的を絞って検討しましょう。「KR」も「O」1つにつき、2~5個用意します。OKRは会社全体・部門・個人別に定めましょう。

目標達成率は60%~70%を目途にするのがセオリーです。ただ、一度目からこの範囲におさめるのは少し無理があります。そこで、数か月のスパンで目標の設定と修正を繰り返してPDCAサイクルを形成し、社内体制を整えていくわけです。

OKRの進捗確認方法

OKRは定期的に目標達成度を把握し、社員にフィードバックを与えます。現在、どの業務がどこまで進んでいるのか、今後どのようなタスクが必要なのかが分からないと、社員の意欲が失われかねません。もちろん、経営的に考えても情報を整理することは大切です。以下では、進捗状況を確認する方法を紹介します。

チェックイン

チェックインでは基本的に週に一度、短時間で近況報告を行う場を設けて、取り組みの実施状況や進み具合を共有します。特に確認したい内容は、以下の4つです。

  • 進捗状況
  • 目標達成への自信
  • 現状の課題と対策
  • 次の1週間のアクション

まず、進み具合を確認して、目標を達成できるかの自信を報告します。もし無理があるようなら、目標を修正すべきでしょう。また、問題点の有無や解決策についても共有していきます。その上で、次の1週間で何をするか計画を立てるわけです。

一般的に、この作業は長々とやるものではありません。1時間以内を目途にしましょう。

中間レビュー

通常は、想定されている計画期間の、半分を経過した時点で評価を行います。これまでの取り組みが予定通りに進められているかや、今後の見通しなどについて明確にするために必要な工程です。もし、大幅に進捗が遅れているようなら、ここで修正を加えても問題はありません。

最終レビュー(スコアリング)

予定した計画期間を終えた後に、どれだけ目標を達成できたかを評価します。成功した部分や失敗した箇所、課題などが次々と浮き彫りになるでしょう。

もし、上手く行かなかったとしても、一度きりでやめてしまうのはもったいないです。OKRを導入するなら、最終評価を受けて次の目標を見直して、PDCAサイクルによって継続的に改善してください。最終評価をしっかりと吟味して、次回の方向性を検討しましょう。

OKRを運用するポイント

OKRの特徴などについて解説しましたが、ではOKRを導入することでどのようなメリットが得られるのでしょうか。

ここではOKRのメリットを3つ紹介していきます。

  • 目標を共有できる
  • 社内のコミュニケーションが活発に
  • 優先順位を設けて無駄なく作業できる

新しいから、話題だからと安易に導入するのではなく、戦略的に検討するために押さえておきたいポイントを見ていきましょう。

目標を共有できる

企業の組織構成は一般的に、経営陣を頂点として、その下に部門部署があり、最終的に社員個人が存在します。つまり、ピラミッド型を形成しているわけです。

従来の目標設定方法では、経営陣の掲げる目標が社員の考える目標と離れていて機能していない、というのも珍しくありませんでした。

しかし、OKRはピラミッドの頂点だけでなく、部門部署でも個別の目標を作ります。もちろん、この部門部署ごとの目標は、最上位の目標を達成するために必要な事項にしなければいけません。さらに、社員に対しても達成すべき目標を設定するため、頂点から下層に向けて互いに関連性のある目標を用意して、社内で目指すべきゴールを共有できるのがメリットです。

トップの目標と下層の目標が連結されているため、どこかで意思が分断されるリスクが軽減できます。また、個人の目標達成具合が全体にどのように影響しているかも把握が可能です。社員からすれば、自身の貢献が会社の目標達成に関わっていることが明確化されるので、意欲的に取り組めるでしょう。自身が何をやっているのか分からないと、モチベーションは高まりません。また、目標に向けてその日やるべきタスクが明確化することで、ただ目標もなく淡々と業務をこなして毎日同じことの繰り返しになってしまうのを防ぎ、日々の業務にメリハリが生まれます。

社内のコミュニケーションが活発に

OKRで定めた目標をクリアするためには、個々の努力だけでは不充分なケースが珍しくありません。そこで大切になってくるのが、他者と協力してより高い成果を目指すことです。部署やチーム内はもちろん、他の部門とも協力すれば成果が高まります。無理に会社が働きかけなくても、自発的に自然と、社員同士が力を合わせる風潮ができあがるでしょう。

このようにして、社員は自発的に他者と相談したり、協力したりしてコミュニケーションが密になっていく効果があります。これまでは交流がなかった社員同士が、話をするきっかけにもなるでしょう。もちろん、上司や部下、役員などの垣根を超えて活発な意思疎通が期待できます。

コミュニケーションが活性化されると、生産性や社員満足度の向上はもちろん、企業の信用度を高める効果も期待可能です。

OKRは企業全体と個人の目標が結びついているため、コミュニケーションを取りながら協力して一人ひとりの業務のレベルを上げていくことで、企業全体で高い成果が得られるようになり、企業ブランドに対しての信用度向上にもつながるでしょう。

何かとメリットが多いため、コミュニケーションを自然に増やすためにOKRを取り入れるのも悪くありません。

優先順位を設けて無駄なく作業できる

OKRを導入すると、先述の通りトップから社員に向けて、取り組むべき目標が整理されます。誰が何をすべきか明確になるので、業務上の無駄を省けるのがメリットです。意思統一ができていない企業では、どうしても部門によって考え方がバラバラになったり、個人個人で取り組みの方向性に違いが見られたりします。

OKRを使うと、社員は自身が何をすれば主要な目的に貢献できるかを簡単に把握できるのが魅力です。よって、社員が不必要なタスクに集中してしまうといった、不用意な行動を減らせます。

OKRの導入方法

OKRは導入する企業に応じて、柔軟な形で取り入れることが大切です。マニュアル通りに目標を設定しても、それが会社の事情とかけ離れているなら、きちんと機能しません。うまく活用している企業は、型通りに導入するのではなく自社にフィットするように工夫しています。

導入する際には、まず「O」を設定するのが第一段階です。定性的な目標で、1つでも良いですし複数でも構いません。ただ、数が多いと混乱してしまうので、必要な分に的を絞って検討しましょう。「KR」も「O」1つにつき、2~5個用意します。OKRは会社全体・部門・個人別に定めましょう。

目標達成率は60%~70%を目途にするのがセオリーです。ただ、一度目からこの範囲におさめるのは少し無理があります。そこで、数か月のスパンで目標の設定と修正を繰り返してPDCAサイクルを形成し、社内体制を整えていくわけです。

OKRの進捗確認方法

OKRは定期的に目標達成度を把握し、社員にフィードバックを与えます。現在、どの業務がどこまで進んでいるのか、今後どのようなタスクが必要なのかが分からないと、社員の意欲が失われかねません。もちろん、経営的に考えても情報を整理することは大切です。以下では、進捗状況を確認する方法を紹介します。

チェックイン

チェックインでは基本的に週に一度、短時間で近況報告を行う場を設けて、取り組みの実施状況や進み具合を共有します。特に確認したい内容は、以下の4つです。

  • 進捗状況
  • 目標達成への自信
  • 現状の課題と対策
  • 次の1週間のアクション

まず、進み具合を確認して、目標を達成できるかの自信を報告します。もし無理があるようなら、目標を修正すべきでしょう。また、問題点の有無や解決策についても共有していきます。その上で、次の1週間で何をするか計画を立てるわけです。

一般的に、この作業は長々とやるものではありません。1時間以内を目途にしましょう。

中間レビュー

通常は、想定されている計画期間の、半分を経過した時点で評価を行います。これまでの取り組みが予定通りに進められているかや、今後の見通しなどについて明確にするために必要な工程です。もし、大幅に進捗が遅れているようなら、ここで修正を加えても問題はありません。

最終レビュー(スコアリング)

予定した計画期間を終えた後に、どれだけ目標を達成できたかを評価します。成功した部分や失敗した箇所、課題などが次々と浮き彫りになるでしょう。

もし、上手く行かなかったとしても、一度きりでやめてしまうのはもったいないです。OKRを導入するなら、最終評価を受けて次の目標を見直して、PDCAサイクルによって継続的に改善してください。最終評価をしっかりと吟味して、次回の方向性を検討しましょう。

OKRを運用するポイント

導入したOKRを上手に運用していくために、チェックしておきたいポイントがあります。簡単に導入できる点は優れているのですが、運用に失敗すると成果は期待できません。

そこで、以下のポイントを押さえると、戦略的な運用に役立ちます。

  • SMARTを基準に目標を設定
  • 設定した目標・進捗・成果は全て社内に共有
  • OKRを評価制度と直結させない
  • 定期的に進捗確認

各ポイントについて解説していくので、参考にしてみてください。

SMARTを基準に目標を設定

MBOやKPIでは目標の評価指標の選定が自由でした。しかし、OKRではSMARTを用いることになります。KPI設定などでも役立ちますが、OKRでは特に重要視されるので、覚えておきましょう。

SMARTはビジネスシーンで重用されている目標設定の法則で、以下の5つの要素を組み合わせるのが特徴です。

  • S(Specific):誰が見ても正確に分かる、具体的な目標を定める。
  • M(Measurable):目標の達成具合を、数字で測定できるようにする。
  • A(Achievable):現実的に見て、達成できそうな目標を選ぶ。
  • R(Related):事業に関連性のある、有意義な目標にする。
  • T(Time-bound):期限を定められる目標を定める。

抽象的な目標でも、このような指標を用意すれば正確に進捗状況を把握できます。日本の会社は伝統的に、感覚や経験などの主観で目標達成度をはかる傾向がありますから、このように基準を明確化しておくと良いでしょう。

設定した目標・進捗・成果は全て社内に共有

OKRの運用では、現在の進捗状況を可視化して社内で情報共有することが大切です。現状の理解や成果を把握できていないと、正しく取り組むのは難しくなります。もちろん、モチベーションの低下にもつながりかねません。社員へのフィードバック通じて、やる気を高めるよう鼓舞していきましょう。

OKRを評価制度と直結させない

OKRを社員の評価制度と直結するのは、好ましくありません。もし、OKRの目標を達成しないと給料に影響がでるのであれば、取り組みに偏りが生じるからです。本来重視したい目的より手軽に給与に結びつく内容ばかりに集中する可能性があるため、OKRにはインセンティブやペナルティは設けず、自発的に取り組める環境を整えましょう。

評価に関係しないのに過大な目標を設定すると、社員が不満を持つ可能性もあります。企業全体のOKRは野心的でも、社員個人の目標は比較的簡単なものにするというのも選択肢の1つです。

定期的に進捗確認

他の手法だと1年スパンなどの長めの計画を立てますが、OKRは1ヵ月から四半期で1つのプロセスを終了させます。さらに、チェックインは週に1度で中間レビューも利用するなど、短期間で定期的に進捗確認を行うことで、状況の変化に柔軟に対応できるのです。

現在は市場ニーズも移り変わりが激しいですし、何かと迅速な処置が求められる場面は少なくありません。定期的に細やかな進捗確認を行えば、問題が生じた時にスムーズに方針転換できます。

OKRの導入事例

多彩な企業が導入し、成果をあげているのがOKRです。自社に導入する際には、実際に活用して成功している事例を参考にするのがおすすめできます。そこで、特に要チェックな導入事例をピックアップしました。

  • Google
  • メルカリ
  • ChatWork

それぞれの企業の導入事例を詳しく解説していくので、これからOKRの導入を検討している方は、ぜひご覧ください。

Google

IT企業の最大手の一角、Googleは早い段階でOKRを導入しています。目標は四半期ごとにと1年ごとに設定しました。それぞれに目的が異なり、四半期では企業全体をレビューしているようです。

目標はかなり挑戦的な内容となっていますが、達成率はおよそ70%を維持しており、高水準な取り組みが行われていると推測できます。当然、高い目標を設定してそれを達成しているのですから、社員の意欲や満足度は高いでしょう。

なお、Googleは高い目標を達成するために、いろいろな工夫を行っているのは有名です。社員は社内で筋トレしたり、レストランで飲食したりできる他、遊べる場も提供されてきました。この結果、社員同士のコミュニケーションも活発化され、社内には活気があります。OKRの上手な活用と相まって、同社で働くことに誇りを感じている社員は珍しくありません。

ちなみに、OKRで大きな成果をおさめたGoogleは、他社の導入をサポートする事業も展開しています。いろいろと先進的な取り組みを行ってきた分、ノウハウは蓄積されているでしょう。

メルカリ

日本の有名企業であるメルカリも、OKRを採用しています。同社の爆発的な成長を後押ししたともいわれており、参考にしたい事例の1つです。

計画期間は四半期とスタンダードな形ですが、他の部分にはいろいろな修正を加えているのが特徴です。例えば、進捗状況は数値を用いず、色分けにすることで把握しやすくしました。進んでいる箇所と、そうではない部分を違う色で表示しているのです。また、目標自体も社員のモチベーションを高めるため、ワクワク感を演出しています。このため、楽しみながら積極的に、社員が行動する雰囲気ができあがりました。

進捗状況の確認はセオリー通りで、ほぼ1週間ごとに報告ミーティングが用意されています。また、社員に対しては不定期で、いろいろなアドバイスや情報提供が行われているのも参考にしたい点です。

ChatWork

ビジネスコミュニケーションツールの代表格ともいえるのがChatWorkです。同社もOKRを導入しており、会社の体質改善に成功しました。OKRを活用する前は大企業にありがちな問題に見舞われ、社員同士の目標にズレがあったり、それぞれの取り組みが分かりにくかったりと、思わしくない状況だったようです。

2017年にOKRを導入したものの、最初は失敗も多かったといわれています。目標を設定し、達成するための意欲に欠けていたため、成果は芳しくありませんでした。そこで、運用方法を改め、比較的ルーズな形に方針転換しています。目標自体も社内コミュニケーションの活性化などにとどめました。

これがChatWorkには向いていたようで、社内の体質が改善され、低コストで高い効果を得ることに成功しています。

まとめ

OKRは「組織の目標」と「個人の目標」を連携させる業績管理手法の1つで、従来の目標計画方法と比較すると、より高い頻度で「設定・追跡・再評価」ができます。OKRのOは組織として達成するべき目標、KRは目標達成への進捗をはかるための定量的な指標という意味です。

OKRは短期スパンで評価が必要ですが、これに対応できる会社ならメリットが多いため、前向きに検討してみると良いでしょう。導入は容易で自由度が高く、自社にとって最適な形を模索できます。シェアの拡大から社員教育、社内の風通しを良くするためにも活用できるので、この機会に計画を考えてみてください。

執筆者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

Twitter