事業企画とは?経営企画との違いや仕事内容を徹底解説

2022.02.10
事業企画とは?経営企画との違いや仕事内容を徹底解説

「事業企画」という職種をご存知でしょうか。新型コロナウイルスの蔓延により、世の中の経済や人々のライフスタイルが変化する中、企業でもビジネスの在り方が変化しています。

既存事業の見直しや、現在の世の中に適応した新しい事業の考案を行う企業も多い傾向です。

 

グローバル化やIT化が著しく進んでいく中で、海外進出を目指す企業やSNSや新しい技術を導入した新規事業を立ち上げる企業も増えてきています。そんな中で経営陣の立てた戦略に則って、事業計画を立案する「事業企画」という部門が注目を集めています。

 

当記事では、そんな事業企画の仕事の内容を始め、経営企画との違いや求められるスキル、どのような人が向いているかなど「事業企画」という仕事に関して徹底解説していきますので、今後転職やキャリアアップを考えている方はぜひ参考にしてみてください。

事業企画とは

企業は事業運営によって収益を得ています。そのため、「事業」は企業を運営していくにあたって生命線ともいえる重要な役割を担っているのです。事業が利益を上げられるかどうかが、企業の成長を左右します。

 

事業企画では、経営陣の方針を理解して、現場レベルに浸透させることが主な役割です。求められるスキルは多岐に及び、事業の企画立案から実行までに必要なあらゆるプロセスを推し進めていく必要があります。

 

新規事業の企画立案では多方面とやり取りする必要があり、資本提携やM&Aまで及ぶ場合もあるでしょう。利益を最大化するために何が必要なのかを選び抜いて実行する、企業に非常に重要な役職です。

事業企画と経営企画の違い

成長途中のベンチャー企業などでは、経営企画と事業企画が包括されている場合もありますが、基本的に「経営企画」と「事業企画」は異なる役割を果たします。

 

「経営企画」の仕事内容は、中長期的な目線から会社全体の経営戦略を立案することです。

一方の「事業企画」では、事業単体の戦略を立案・実行していきます。

 

経営企画はより経営陣に近く、会社を全体的に俯瞰して戦略を組み立てていきますが、事業企画の場合はその事業単体が成長するための戦略を組み立てていくのが仕事です。

 

事業計画から実行までを執り行うのは並大抵のことではないので、業務の負担を分散するために全体の戦略を担う「経営企画」と、より専門的な戦略を担う「事業企画」に分かれています。

事業企画の仕事内容ややりがい

事業企画とは何かを理解したところで、事業企画が行う仕事内容ややりがいについて見ていきましょう。事業企画部門は、その役割から多くの業務に携わることになるため、大変な仕事ではありますが、その分大きなやりがいを感じる瞬間もあります。

仕事内容

事業企画の主な仕事内容としては、下記の3つが挙げられます。

 

  • 新規事業の企画立案
  • 事業計画の策定
  • 事業の実行管理

 

一言で企画立案といっても、事業の予算策定から具体的な構造の立案、今後の管理方法の決定など必要なプロセスは多岐にわたります。

 

進捗管理に合わせて、修正が必要なことも出てくるでしょう。ときには、海外進出に向けた海外企業とのやり取りや、業務提携・資本提携のためのやり取り、M&Aの実施等が必要になってくる場面などもあります。

 

事業企画は、会社の経営の根幹となる事業の基盤を作ることから、非常に重要な仕事が多いです。実際に事業が走り出すまでに必要な業務を、総合的に管理していくのが一般的となります。

やりがい

前述したように、事業企画の仕事内容は多岐にわたります。現場と経営陣の板挟みに合うことや、細かい調整等が多く辛い場面も多いでしょう。しかし、事業全体を管理するという立場は得られることも多いです。

 

「こんな施策を打ち出してみよう」と思って実行した内容がしっかりと結果として跳ね返ってきたときは、自分の決めた戦略が正しかったということの証明であり、大きなやりがいを感じる瞬間となるでしょう。

事業企画に求められるスキル

事業企画の仕事内容については理解しましたが、実際に働いていく上ではどのようなスキルが求められるのでしょうか。事業企画は事業の運営全体に関わるため、多くのスキルが必要とされます。ここでは、事業企画に求められるスキルについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

 

  • マーケティング力
  • 営業・コミュニケーション力
  • 実行力
  • 財務管理能力
  • リーダーシップ

 

それぞれのスキルについて、詳しく見ていきましょう。

マーケティング力

マーケティングの能力は、事業を企画する立場として非常に重要となってきます。理由としては、事業企画部門ではマーケットのニーズや動向を分析して、確実に収益を上げられる事業構造を作る必要があるからです。

 

近年では、インターネットの急速な発展やIT化の影響によって、Webマーケティングに力を入れている企業も増えています。Webマーケティングスキルの高い人材は、今後より必要とされることが多くなるでしょう。

営業・コミュニケーション力

多くの部署や外部の企業とやり取りを行う必要のある事業企画では、高い営業力・コミュニケーション力が必須です。

 

事業を立ち上げる際には、まずこれから立ち上げる事業が実際にどんな利益をもたらすのかを社内の人間にプレゼンして賛同を得る必要があります。企画を進めるにあたって、社外の人間にプレゼンをする企画も出てくるでしょう。そんなときに、高い営業スキルを持っていれば、業務に大いに役立ちます。

 

また、事業企画はさまざまな部署間をつないでいく機会も多いポジションです。経営陣が策定した戦略に基づいた事業計画を行っていても現場に落とし込む際に社員から反発が起きてしまう可能性も考えられます。その際に、理解を得られるまで話をするのは、事業企画の仕事です。

 

さらに、資本提携やM&Aを行う場合には、外部との連携が必要不可欠となります。上記のようなシチュエーションが多いことから、社内外問わずに円滑なやり取りができる高いコミュニケーション能力が必要になるのです。

実行力

基本的なことではありますが、実際に立案された企画を適切に実行に移せるか、経営陣からの指示を着実にこなしていけるか、といった実行力はとても重要な要素です。

 

実際に業務を実行するスキルがないと、絵に描いた餅になってしまい、何の役にも立ちません。そのため、企画力とは別に高い業務実行スキルが必要になります。

財務管理能力

経営企画部門が定めた経営戦略に基づいた事業立案を行うためには、経営陣と同等の財務管理能力が必要です。

 

どのように売上・利益を積み上げるかということとは別に、実際に事業を運営するために資金をどのように調達するのか、予算管理をどのように行っていくのかを事前にしっかり定めておかなければいけません。

 

立ち上げ段階は赤字になるケースが多く、損益分岐点を迎えるまでに余裕のある資金を用意する必要があります。そのためには、高い財務管理能力や資金調達能力が求められるのです。

リーダーシップ

事業企画という役職は、その立場上多くのメンバーを牽引していく場面が非常に多いです。

メンバーの声に耳を傾けて、明確なビジョンを唱え続けることによって、全体の成果を最大化します

 

部署間をつないで新しい事業を作っていくことから、メンバー全体がより円滑に仕事を進められるよう、常に先頭で引っ張っていくリーダーシップ能力は必須といえるでしょう。

事業企画に向いている人

事業企画では、前例のない事業や業務に取り組む機会が多く存在します。そのため、どんな状況にも適応して周りを巻き込んで邁進できる人や、全体を俯瞰しながら状況を分析できる人、あらゆる変化を楽しめるような人に向いている職種といえるでしょう。

 

また、あらゆる局面に対応する必要があることから、常に柔軟に対応を変化させることができる臨機応変さがあると良いです。反対に、決まった業務内容をこなしたり、与えられた仕事をこなすのが得意な人には、あまり向いていない職種といえます。

事業企画に必要な経験/資格

事業企画の特徴や仕事内容、必要なスキルを踏まえて、どのような経験や資格が事業企画に役立つのか、詳しく見ていきましょう。

経験

転職活動などでは、以下のような経験があるような方は、事業企画として適正があると判断されやすいです。

 

  • 管理職経験がある
  • 起業経験がある
  • 営業で良い成績を残した経験がある
  • 新規企画の立ち上げを行った経験がある
  • 経理・財務の知識が豊富で、会社のお金の流れがわかる

 

事業企画は幅広いスキルが必要とされるため、必須となる経験やキャリアというものはありません。上記のような経験を始めとして、事業企画のスキルとして役立つ経験があれば、転職時にもアピールしやすいでしょう。

資格

事業企画に必須な資格はありません。資格よりは、前述したような経験やキャリアが問われることの方が多いです。

 

しかし、MBA(経営学修士)や公認会計士弁護士などの資格があると、役立つ機会は多いです。また、海外への展開を目指すような企業に転職したいのであれば、TOEICなどで高得点を目指して高い英語力を身につけるのも一つの手です。

事業企画のキャリアパス/将来性

事業企画として働きたい、事業企画に転職したいと考えている場合、キャリアパスやその将来性については気になる人も多いでしょう。ここでは、キャリアパスとしてのいくつかの例と、その将来性について解説していきます。

キャリアパス

事業企画としての結果が認められるようになれば、部署内でより責任のあるポジションに従事できるようになります。そうなれば、より長期的な戦略の立案を行う経営企画への移動や、執行役員への昇格、子会社の社長就任などを任されるケースもあるでしょう。

 

また、事業企画から転職するケースとして、これまで身につけた事業や経営に対する知識を武器に経営コンサルタントとして活躍する場合もあります。さまざまな経験ができる事業企画を経験すれば、その後のキャリアも幅広い選択肢の中から選べるでしょう。

 

また、事業企画職に至るまでのキャリアとしては、営業企画やマーケティングについての経験を積むと良いです。事業企画では経営戦略に基づいた事業計画の策定を行っていく必要があるため、その際に営業やマーケティングで培った能力を活かせます。

将来性

事業企画職は、今後も活躍できる将来性の高い仕事といえます。当然、企業自体にも左右される部分はありますが、企業の将来性にも関わる重要な部署のため、必然的に一つの部門としての将来性が高くなるのです。

 

事業企画の将来性を語る上では、以下の2点が重要な要素となります。

 

  • グローバル化
  • IT化

 

日本は島国という地理的条件もあり、マーケットが飽和に向かっている業界も多く存在します。しかし、現代ではグローバル化が進行していて、新規事業を立ち上げる際は海外進出を意識する企業も増加している傾向です。グローバル化が進んでいけば、より事業企画の将来性も高まるでしょう。

 

また、現在はIT業界に留まらず、世の中全体がIT化の一途をたどっています。LINEやTwitter、Instagramを始めとするSNSが一般化しており、さらにそのSNSをマネタイズにつなげるビジネスが急速に広がってきているのです。

 

仮想現実(VR)や拡張現実(AR)なども発展しており、あらゆる分野に活用できるようになってきました。実際に、これを用いた事業なども多く誕生しています。今後はさらに多くの事業が生み出されることが予想できるため、IT化がより事業企画の将来性を高める要因となるのです。

 

まとめ

事業企画は、経営陣の方針を理解して現場レベルに浸透させるのが主な役割で、企業を運営していくにあたって生命線ともいえる重要なポジションです。主な仕事内容としては、新規事業の企画立案、事業計画の策定、事業の実行管理などが挙げられます。

 

また、事業が走り出すまでに必要な業務を総合的に管理していくのも、事業企画の仕事です。

 

ここまで紹介したように、事業企画は仕事の幅が広いため、効率的に仕事を進めていかなければいけません。そのためには、KPIを活用して無駄なく業務を管理・遂行していくことが大切です。

 

多くの仕事をスピード感をもって推進していきたい、KPIを運用して事業企画の仕事を効率的に行っていきたいという方は、ぜひ下記の資料を参考にしてみてください。

監修者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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