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SaaSの主要KPI【CAC Payback Period】

2021.09.02
SaaSの主要KPI【CAC Payback Period】

CAC Payback Periodとは

CAC Payback Periodとは、顧客獲得単価の回収期間を意味するKPIです。

顧客の獲得にかけた費用であるCACを利益で回収するのにかかる期間を指します。

 

CAC Payback Periodは、Months to Recover CACとも呼ばれます。

 

CAC Payback Periodの計算式

CAC Payback Periodの計算式は次のとおりです。

 

CAC Payback Period = CAC ÷ ( 顧客の平均単価 × 粗利率 )

 

顧客の平均単価は、ARPU、ARPA、ARPPUなど、その会社で使っている指標を使って計算します。

 

CAC Payback Periodの目安

CAC Payback Periodの期間が短ければ短いほど、マーケティングやセールスの顧客獲得戦略に関する費用対効果が高いと言えます。

 

この期間を越えればやっと顧客から利益を得られるようになるタイミングを示していて、逆に言えば、それまでの期間は(SaaSの利用料の受け取り方にもよりますが)顧客から得られるキャッシュ・フローがマイナスになるので、そういう視点からも重要なKPIです。

 

一般的には、CAC Payback Periodは6ヶ月から12ヶ月以内が目安とされていますが(18ヶ月以内であれば大丈夫と言われることもあります)、キャッシュ・フローに余裕があるのであれば、CAC Payback Periodをそれ以上に伸ばしてでも、新規顧客獲得に積極的に投資して、顧客数を増やして成長スピードを加速させようという経営判断もありえます。

 

なお、これはどのKPIについても同様ですが、この1つのKPIだけを単体で追いかけるのではなく、関連する他のKPI、たとえば、ユニットエコノミクスなどとのバランスを意識する必要があります。

 

CAC Payback Periodの重要性

CAC Payback Periodは、キャッシュ・フローとの関係で重要です。

 

CACは将来の顧客への先行投資として費やしたお金になるので、当然、その先行投資を回収しないとビジネスは成り立ちません。

回収するまでの期間が長ければ長いほど、キャッシュ・フローにマイナスの影響を及ぼすので、とても重要なKPIになります。

 

また、CAC Payback Periodが長くなればなるほど、その期間中に解約する顧客は増えるでしょう。

そうなると、顧客獲得にかかったコストを回収しきれず、赤字になってしまいます。

この回収しきれなかった顧客獲得コストは、解約に伴って発生している隠れたコストと考えられます。

 

以上のようなことから、CAC Payback PeriodはNegative Cash Flowの期間ともいわれます。

 

CAC Payback Periodを改善する方法

CAC Payback Periodの計算式を振り返ってみましょう。

 

CAC Payback Period = CAC ÷ ( 顧客の平均単価 × 粗利率 )

 

つまり、CAC Payback Periodを改善する方法としては、次の3つです。

 

CACを下げる

 

CAC Payback Periodが長くなっている場合は、マーケティングファネルやセールスファネルのコストを削減することで改善できます。

つまり、CACを下げるということです。

詳細についてはこちらをご覧ください。

 

SaaSの主要KPI【CAC】

 

顧客の平均単価を上げる

 

CAC Payback Periodは、顧客の平均単価を上げることでも改善できます。

詳細についてはこちらをご覧ください。

 

SaaSの主要KPI【MRR】

 

粗利率を上げる

CAC Payback Periodは、顧客から得られる粗利率を上げることでも改善できます。

粗利率の計算式は次のとおりです。

 

粗利率 = 粗利 ÷ 売上

粗利 = 売上 – 原価

 

つまり、粗利率を上げるためには、

 

  • 売上を増やす
  • 原価を減らす

 

のどちらかです。

SaaSの原価には、一般的には次のようなものが含まれます。

 

  • カスタマーサクセスの人件費
  • オンボーディングの人件費
  • サーバーなどのインフラ費用
  • 減価償却費

 

売上に対するこれらのコストを削減すること、または、売上そのものを増やすことのいずれかが、粗利率を上げる施策になります。

執筆者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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