データドリブンとは、取り入れるメリットや方法を詳しく紹介

2022.03.05
データドリブンとは、取り入れるメリットや方法を詳しく紹介

さまざまな社会背景によって、マーケティングや営業は変革期にあります。こういった流れに柔軟に対応するために、企業では現在データドリブンが注目されているのです。この記事では、データドリブンとは何なのか、メリットや基本ステップなどを詳しく解説していきます。

データドリブンとは

顧客の購買行動の変化や新型コロナウイルスの感染拡大により、検索エンジンや自社サイトを活用したインバウンドマーケティング、メールなどの各デジタルツールを活用したインサイドセールス・フィールドセールスといった新しいマーケティング・営業の手法が主流になりつつあります。

 

データドリブンはそれらのマーケティング・営業において、データの分析結果を基に課題を発見し、解決のための施策や企画の立案、ビジネスの意思決定を行う業務プロセスです。データの価値が向上している現在、データドリブンは重要度を高め注目を集めています。

データドリブンが重要な理由

ビジネスの意思決定を行う業務プロセスであるデータドリブンですが、どのような理由や背景から重要視されるようになったのでしょうか。現在はまだ注目度を高めている段階ですが、いずれはデータドリブンを取り入れていることがマーケティングや営業を始め、ビジネス全体の基本となっていることが想定されます。なぜビジネスの基本となるのか、データドリブンが重要な理由について解説していきます。

ビッグデータが蓄積

ITやデジタルツールの発展・普及により、一般的なデータ管理・処理ソフトではさばききれないほどに、巨大で複雑なデータを保有するビッグデータを取り扱う企業が増加傾向にあります。

 

収集・蓄積されたビッグデータはマーケティングや営業のみに留まらず、ビジネス全体の判断材料にもなるため、非常に重要です。売上向上につながる有益なデータを保有していても、うまく活用できなければ顧客獲得には至らないでしょう。また、既存顧客の乖離にもつながるかもしれません。こういったことを防ぐためにも、データドリブンを取り入れる必要があるのです。

顧客の行動が多様化

スマートフォンやタブレット端末の普及で、商品やサービスについて気になることがあればすぐに検索できる、直接企業とやり取りしなくても利用・購入が可能といったように、顧客の購買行動が多様化しています。

 

特に、新型コロナウイルスの感染拡大が社会的課題となっている現在は、企業同士のマーケティング・営業活動も非対面が望まれるようになりました。そういった背景から、データに基づいた課題の可視化や顧客のニーズに沿った最適なタイミングでマーケティング・営業施策を実施できるデータドリブンは必要不可欠といえるでしょう。

業務が複雑化

顧客の購買行動が多様化すると、必然的に企業の業務も複雑化してしまいます。取り扱う商品やサービスの内容によっては、顧客の乖離を防ぐためのアフターサポートを実施する必要があるでしょう。

 

また、顧客の心理は日々変化し、それにともなってニーズも変わる可能性があります。そういった変化に対応するためには、従来の商品やサービスをバージョンアップさせる、またはチューニングを繰り返す必要があります。

 

このように、業務が複雑化することで従業員の負担が増えるといった課題が発生し、それに対する対策が求められているのです。データドリブンは従来のプロセス・フローでは対応しきれなくなった部分をカバーするように、データに基づく意思決定を行ってくれます。

問題の早期解決

他社との競合が続く企業では、常に何かしらの問題が発生しがちです。その中で安定的に利益を出し続けるためには、スピーディーな問題解決と新しい施策実施、計画立案をする必要があるでしょう。

 

また、マーケティングや営業には精度の高い業務プロセスと、それにともなう成果が求められます。データドリブンを活用して、マーケティングや営業の費用対効果を高めていきましょう。

データドリブンのメリット

データドリブンによって、顧客のニーズを把握できる、データに基づいた判断ができる、生産性のアップが期待できるといったメリットが存在します。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

顧客のニーズを把握できる

顧客のニーズに沿わない商品やサービスは、当然ですが必要とされません。そのため、顧客のニーズを常に把握し、商品やサービスの市場価値を維持する、または高めていく必要があります。

 

データドリブンを取り入れることで、過去のデータの蓄積だけではなく、それを基にしたフィードバックを行うことが可能です。フィードバックで課題を洗い出し、顧客のニーズをとらえた新商品・サービスの開発・改善を継続することが企業の売上に直結するでしょう。また、顧客の行動から今後のニーズを予測できるため、いち早く対処することで競合他社に差を付けられる可能性が高いです。

 

データに基づいた判断ができる

マーケティングや営業において、担当者の意思決定は非常に重要なものですが、その人の経験や知識だけで正しく意思決定するのは難しいでしょう。特に、マーケティングや営業ではKKD(勘・経験・度胸)による判断は危ないとされています。場合によっては、客観性を欠いた判断により方向性を見失う可能性もあるでしょう。

 

データドリブンによるデータを土台とした判断は信憑性が高く、強固なロジックで守られているため、マーケティングや営業の商談・契約率が高くなることが期待できます。データドリブンを取り入れれば、客観的でデータに基づいた判断により失敗を抑止してくれるでしょう。

生産性のアップが期待できる

ITやデジタルの発展以前は、課題解決や商品・サービスのチューニングを行う際に議論の時間やそれに参加する従業員の人件費がかかっていました。しかし、時間と費用を費やしている割には主観的な意見ばかりで結論に至らなかった、結論に至っても内容を実行する人材がいないなどの問題が発生しがちでした。

 

データドリブンを取り入れることで客観的なデータによる素早い意思決定が可能になって、これまで意思決定までにかかっていた時間や人件費を削れるようになり、生産性のアップが期待できます。実際にデータドリブンマーケティング・経営を実行している企業は、実行しない企業と比較して生産性が高いというデータも存在するようです。

データドリブンにする方法

データドリブンで、データの収集、分析・可視化、戦略立案、戦略実行、この4つの基本ステップを順番に踏む必要があります。それぞれを行う目的や注意点、ポイントについて各ステップごとに見ていきましょう。

データの収集

まずは、社内に分散しているデータを収集し、一括管理できる体制を整えましょう。データの量や規模によってはデータ管理ツールの導入をおすすめします。収集するデータは企業が属する業界によって異なりますが、基幹システムや業務システムから収集するのが一般的です。

 

すでに保有しているデータの中に使えるものがないと判断した場合は、WEBサーバーや他社システムツールから収集しても良いでしょう。その際には、データの量が莫大で人の手で収集することはほぼ不可能なので、データ管理ツールの活用が必須といえます。特性を把握したうえで、適切なツールの導入を検討しましょう。

分析・可視化

収集したデータの中から関連性の近いもの同士で、ランキング・最大値・最小値といった具体的な数値を分析します。分析するだけで終わらせず、分析結果の価値を高めるためには可視化する必要があります。その際には、分析した数字をただ羅列しただけだと内容が分かりにくいため、図や表を駆使して一目見ただけで分かるようなビジュアルに可視化しましょう。分析しただけでは見えてこない企業の課題が見えてくるはずです。

 

また、可視化したデータは企業の意思決定を示すときに、ステークホルダーからの合意を得るために提示する資料としても活用できます。具体的なエビデンスを示せば、スムーズな合意を得ることにつながるでしょう。

戦略立案

分析・可視化したデータを基に具体的な戦略立案を行いましょう。その際、データに強い人材やマーケティング・営業部門に精通した人材を配置することで、データドリブンの適切な活用につながります。社内にそういった人材がいない場合は、社外から専門性の高いコンサルタント会社に依頼するという選択肢もあるでしょう。

 

マーケティング戦略の企画・立案だけではなく、人材育成も得意とするコンサルティング会社であれば、在籍する社員を育成すれば良いため、新たにデータに強い人材を雇う必要はありません。

戦略を実行

立案した戦略を実際に実行に移しましょう。実行した結果、計画とは異なる結果になることもあります。その場合は、結果に至ったプロセスやフローを記録し、記録を基にフィードバックを行ったうえで次の戦略立案に活かしていきましょう。

 

特に戦略が失敗してしまったときは、どこから方向性にずれが生じたか、失敗を防げたポイントはなかったか確認してください。

データドリブンに役立つツール

データドリブンマーケティングを全て人の手で行うには、莫大な人件費と時間がかかります。企業にとって大きな負担となることが想定されるため、データドリブンを取り入れる際はツールを導入し、効果的に役立てることをおすすめします。

 

データドリブンに役立つツールとしては、CRM、SFA、MAの3種類があります。それぞれの特徴や導入目的について解説していきます。

CRM(カスタマーリレーションマネジメント)

過去の商品・サービス購入履歴や問い合わせ内容などの顧客の個人情報を一括管理し、蓄積したデータを分析、確度の高いリードに対する効果的なアプローチや確度の低いリードの育成支援を得意とするマーケティングツールの一種です。

 

具体的な機能として、顧客情報管理、営業支援、マーケティング支援、カスタマーサポートといった基本機能を搭載し、種類によってはもっと多彩な機能を備えているものもあります。同じマーケティング支援ツールであるSFAやMAの大きな違いとして、CRM商談・契約後に必要とされる顧客との継続的信頼関係の構築に特化しています。

 

導入のメリットとして戦略的な営業を可能にし、顧客満足度を向上させます。その一方で効果が見えづらい、自社にとって最適なツールを見つけるのが難しいといったデメリットもあるため、それらを踏まえたうえでうまく活用していきましょう。

 

SFA(セールスフォースオートメーション)

SFAもマーケティングツールの一種ですが、営業担当者がメインで活用するツールです。チームで共有することが難しい営業プロセスや進捗状況を管理し、営業部門の業務効率化による負担軽減を実現してくれます。

 

案件内容や契約・商談成立後のフィードバックを管理する機能も搭載されているため、それらを分析し今後の営業活動における課題の可視化も可能です。SFAの最大の目的はリード顧客を新規顧客に育成し、自社商品・サービスを実際に利用してもらうことです。

 

顧客情報を管理するといった点がCRMと似ているので、同一ツールとしてとらえられることもありますが、それぞれ異なる目的や役割があるため、どちらか一方ではなく両方導入したほうがマーケティングの生産性は向上するといえます。

 

MA(マーケティングオートメーション)

MA(マーケティングオートメーション)とは、企業の売上向上を目的としたマーケティング活動を自動化するツールです。CRMやSFA同様マーケティングツールの一種ですが、自社商品やサービスに興味関心を持ってもらえるような内容を配信し、見込み顧客を獲得することを導入の最大目的としています。

 

MAツールを活用することでリード顧客のニーズを把握し、購買意欲に合わせた最適なタイミングでアプローチを行うことが可能になります。また、顧客と信頼関係を構築し中長期的に良好な関係性を続けることにも役立ちます。

 

CRM、SFA、MAはそれぞれ異なる特徴と役割があると前述しましたが、それぞれの活用方法として、まずMAでリード獲得、SFAでリード育成、CRMで関係構築といったように、それぞれ目的や目指すものを分けることがマーケティングの効率化と生産性向上につながるでしょう。

まとめ

この記事では、データドリブンの意味やメリットについて解説してきました。ITやデジタル技術の発展、それにともなう顧客行動の変化、新型コロナウイルスの影響など、さまざまな要因によって、マーケティングや営業のプロセス・フローが変化しつつあります。

 

データドリブンを取り入れることは、この変化に対応するために必要不可欠といえるでしょう。データドリブンについてさらに詳しく知りたい方は、下記の資料をご参照ください。

監修者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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