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熱意あふれる組織を作るためのKPI活用法

2021.01.28

1.  日本は熱意溢れる社員が少ないという事実

 

みなさん、こんな調査結果をご存知ですか?

 

日本の会社では、熱意あふれる社員が6%しかいないという驚くべき調査結果です。

100人の会社であればたった6人、50人の会社であればたった3人です。

 

わたしはこれを見たとき愕然としました。

 

では熱意あふれる状態になるために必要なことは何かというと、所得よりも自己決定できることのほうが重要だという調査結果があります。

 

 

2.  熱意溢れる組織を作るためにはどうすればいいのか?

 

トップダウンで部下に一方的に押し付けるのではなく、部下に権限移譲して自ら意思決定させ主体的に責任を持って行動できるようにしてあげることが重要だと言えます。

しかし、簡単には部下に権限移譲して意思決定を委ねられないと思います。

 

では、部下がどのような状態になれば委ねられるかというと、視座を上げて経営的な目線で考え行動できるようになる状態だと思います。

次の図で言えば、視座が低いオレンジの視界が、視座を上げ青色の視界になっている状態です。

 

そのためには、

 

  1. 情報量を増やすこと
  2. 価値観や判断基準が同じであること

 

が必要です。

もちろんこれだけで十分ではありませんが必要条件だと思います。

②については会社としての価値観や行動指針や判断基準を明確にして浸透させることですが、これは別の機会に譲るとして、①については会社全体の情報を与えてあげる必要があります。

そして、その情報には定性的な情報と定量的な情報があります。

ここでは定量的な情報を活用して視座を高める方法をお話したいと思います。

ビジネスで取り扱われる定量的な情報には財務情報非財務情報があり、それぞれ以下のような特徴があります。

 

 

こういった会計情報とKPI情報を統合した情報を一元管理して活用するのが弊社のScale Cloudですが、このノウハウを踏まえてこれからお話したいと思います。

 

3.  KPIを活用した熱意あふれる組織づくり

 

ここからさらに具体的なお話をしていきます。

 

視座を上げて経営的な目線で考え、行動できるようになるためには、

 

  1. 空間的な視座を持つこと
  2. 時間的な視座を持つこと

 

この両方が必要です。

 

空間的な視座というのは、自分の部署のことだけではなく会社全体を見れるようになるということです。

時間的な視座というのは、目先の短期的なことだけでなく長期的な時間軸で考えられるようになるということです。

 

空間的な視座

まず空間的な視座を持つためにどうすればいいかというお話をします。

 

たとえば、大工さんやそれを束ねる棟梁も、家を建てるときに、設計図の一部しか見せられていない、つまり、情報として与えられていなければ、うまく組織だっていい家は建てれません。

棟梁はもちろん、大工さんも含めて全員が設計図の全体像を理解しているから、組織的に役割分担しながらいい家を建てるという同じ目標に向かってチームが一丸となって進んでいくことができます。

まずは、この設計図、つまりビジネスの設計図であるビジネスモデルをみんながわかるカタチで可視化する必要があります。

 

ではどのようにしてそれを実現するのか?についてお話します。

 

まずはビジネスモデルの最重要な点、売上について考えてみます。

 

まずはその売上の設計図を可視化します。

Webサイトを見た方が問い合わせをしてきてくれて、それに対して商談のアポを取って商談し、受注まで持っていって売上になる、というプロセスを例に考えてみます。

Webサイトのインプレッションが10,000回あって、そのうち10%の方がクリックしてくれてWebサイトのクリック数、つまり、流入が1,000人いて、そのうち20%の人が問い合わせしてくれたので、問い合わせ数が200社あった。

その200社に対してアポ取りの連絡をしたところ50%の100社に対して商談設定ができて、その100社の商談の内20%が受注できたので受注数が20社になった。

このように売上が計上されるまでの業務プロセスをKPIで可視化していきます。

 

そうしないと、マーケティングの担当者はマーケティングの視点だけ、インサイドセールスの担当者はインサイドセールスの視点だけ、フィールドセールスの担当者はフィールドセールスの視点だけ、管理部は管理部の視点だけ、といったように、それぞれのリーダーの視座はどうしても狭くなってしまいがちです。

 

それを、このように、ビジネスの流れに沿って、各部署の重要なKPIはなにで、それらがどのようにつながっているかを可視化することで、部門横断的にビジネス全体を見れるようになります。

 

では、経営的な視座を持つためには、売上だけを追っていればいいのでしょうか?

そこで、これまで売上のプロセスについてみてきましたが、費用についても考えてみましょう。

 

さきほどの売上のプロセスにそって、それらがどのようなコストと連動していているかを可視化します。

たとえば、インプレッション数が増えても特にコストが増えないが、クリック数が増えればクリック単価(広告単価)をかけた分だけ広告費がかかるし、問合数が増えればその問い合わせに対するテレアポを外注しているとすると、外注単価をかけた分だけ外注費が発生しますし、商談数が増えれば、その分営業マンを増やさないといけないので営業コストが増えます。

 

インプレッション数のようにコストがひも付きで増えないものもわかってきます。

そうすると、インプレッション数が増えてもそれに応じてコストは増えないのでクリック率というKPIを改善するのが最もコストパフォマンスが高い、というようなことが見えるようになります。

その他、たとえば、根性論的に、営業は足で稼ぐのだ、つまりどんどん商談していこう、ということをやってしまうと、営業コストがどんどん増えてしまうけど、それよりも、受注確率の高そうなところをある程度選定して商談していくことで効率的に受注率を高めていこう、というほうが生産性が高い、というようなことが理解しやすくなったりします。

 

では、経営的な視座を持つためには、利益(売上と費用)だけを追っていればいいのか?

そこで、これまで売上のプロセスとそれにひも付く費用についてみてきましたが、次は会社全体の財務との関係についても考えてみましょう。

 

 

 

受注数に受注単価をかければ売上高になり、売上の回収が末締めの翌月末入金であれば回収までに1ヶ月かかるので、実際にお金が入ってくるのはその分を除く880万円になります。

この回収期間1ヶ月を資金のKPIと読んでいますが、同じ売上でも資金のKPIがよければキャッシュフローはよくなるし、逆に悪ければキャッシュフローも悪化します。

 

一方、先ほどのようにコストのひも付きを考えれば、広告費と外注費と人件費でコストが620万円発生して、そのコストの支払いが末締めの翌月末払いであれば、実際にお金が出ていくのはその分を除いた580万円になります。

この支払期間1ヶ月というのも資金のKPIです。

 

こうすることで、会計的な視座やキャッシュ・フローの視座まで身につきます。

 

このように、売上のプロセスと構造がどうなっているのか、それに紐付いてどんな費用が発生するのか、それらの結果、事業全体の損益とどのように結びついて、さらに、キャッシュ・フローを改善するためにはどうすればいいのか、というように、ビジネスモデル構造の全体を可視化することで、リーダー育成において、その空間的な視座を広げます。

また、全社的な視点で、いまどこに問題があるのかが一目瞭然になるので、どのように対処すればいいのかの意思決定もしやすくなります。

 

時間的な視座

次に時間的な視座を持つためにどうすればいいかというお話をします。

 

さきほど可視化したビジネスモデルの全体構造にそって、目標とする売上や利益を達成するためには、各部署の各KPIをそれぞれどれくらい達成しなければならないかを逆算で可視化します。

たとえば、3年後のこの売上目標2億円を達成するためには、商談数とリード数はこれくらいのペースで増やしていかないといけないな、ということが見えてきます。

 

そのためにはこんなことに取り組んでいこう、であったり、それだけでは難しそうなので、Webとテレアポ以外でのリード数を確保するチャネルを探そうとか、それでも足りないので、新しいサービスや事業を作る必要があるな、といったような感じで、1年後、5年後といった未来の目標を達成するためには、いつ何をどれくらいやらねばならないのかを理解しやすくなります。

その結果、1年後や5年後といった未来に向かって時間的な視座を持てるようになります。

そうしないと、どうしても1週間後とか1ヶ月後といったような短期的な視座になってしまって、長期的な視座で考えにくくなってしまいます。

 

または、いまのままだったらこの先どうなりそうかという予測もできるようになります。

たとえば、いま、リード数が思うように増やせていないので、このままの傾向であれば1年後、2年後、3年後、4年後はこういった売上になってしまう可能性が高いな、、、なのでいまのうちからこういう対策をうっていこう、といった長期的な視座で考え行動できるようになります。

 

1年後、3年後、5年後と、目標が長期的になればなるほど、そこに向けてのロードマップが理解しにくくなりますが、このように数字を活用して可視化することで、リーダーが長期的な視座でロードマップを理解できるようになります。

 

熱意あふれる組織を作るために、ぜひ参考にしてみてください。