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目標達成に重要なKPIとは|設定方法や注意点を分かりやすく解説

2021.09.12
目標達成に重要なKPIとは|設定方法や注意点を分かりやすく解説

KPIは、企業の目標達成のために必要な設定です。しかし、いまいち内容を把握しきれていない方や、どうやって設定していけば分からないという方も多いでしょう。

 

そこで、この記事ではKPIについて詳しく解説するのはもちろん、設定方法や具体例もまとめて紹介していきます。

 

KPIの設定を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

KPI(重要業績評価指標)とは

KPIとはそもそもどういった意味なのかと気になっている人もいますよね。KPIは日本語に訳すと、重要業績評価指標という意味です。

 

日本語訳でもあまり把握できないという方のために、ここではKPIについて、KPIとよく間違われるKGIについて、最近注目されているOKRについてを、まとめて解説していきます。

超簡単に!そもそもKPIとは

ビジネスでよく使うKPIという言葉。いざ説明するとなると、うまく定義できない人も多いはずです。

 

KPIとは、英語のKey Performance Indicator(キーパフォーマンスインジゲーター)の略。

つまり、「目標を達成するためにプロセスが適切に実行されているかを定量的に管理・評価する指標」ということになります。

 

組織がゴールにたどり着くための中間目標とも言えます。

 

わかりやすく登山に置き換えて考えてみましょう。

 

登山においてのゴールが「ご来光に間に合うように山頂に辿りつく」ことだとすれば、KPIは「〇時までに〇合目についているか」となります。

 

「山頂でご来光を拝むためには何時までには8合目に到着しないといけない」、「家を〇時に出発する」、「そのためには〇時に起きる」など、最終目標から逆算して計画を立てていくのがKPIです。

 

この最終目標からブレイクダウンしたKPIをツリー状に展開した図のことをKPIツリーといいます。このKPIツリーは目標達成へのストーリーを可視化したものです。

 

ただし、これではまだKPIは完成していません。

 

実際にやってみると、「脚力に自信がないのでまずは日常的なトレーニングが必要」といった発見が出てきて、「1日1時間トレーニングをする」という新しいKPIの追加が必要になるケースもあります。ツリーの構造自体を見直せば、少しずつ最終目的の達成状況が高まるでしょう。

 

また、設定した中間目標の達成状況を確認しながら、「今、6合目だけど予定より時間が遅れているからこのペースだと間に合わない。間に合わせるためには休憩時間を少し短くする」というように、達成のために次なるアクションを考えて、実行することをKPIマネジメントと言います。

KPIとKGIの違い

KPIとよく間違われるのがKGIです。KGIはKey Goal Indicatorの頭文字の略で、日本語では「重要目標達成指数」と訳されます。一言でいうと、「目標の達成度合いを定量的に表す指標」です。

 

先ほどの登山の例でいうと、「ご来光に間に合うように山頂に辿りつく」という部分がKGIとなります。

 

KGIは達成する目的を示すもの、KPIはKGI(目的)を達成するために必要なプロセスと覚えておきましょう。

KPIとOKRの違い

KGIやKPIと似たような新しい指標として、OKRというものもあります。OKRはObjectives and Key Results の略で、日本語で表すと「業績評価制度」です。

意味合いとしては、目標とその成果を明確に設定することによって、より高い目標を達成するための指標となります。

 

KGIやKPIは、一般的にプロジェクト単位や部署単位で設定されるケースが多いですが、OKRは会社全体などの部署を超えた大きな枠組みで設定されるケースが多いのが特徴です。

 

そのため、OKRはKGIと比較すると、より大きな目標を設定できます。

 

より高い目標を会社全体で設定すれば、企業としての目標が明確になり、従業員がそれぞれ与えられた役割に対して責任感を持って取り組む効果も期待できるでしょう。

 

OKRは米国企業のインテルで考案され、GoogleやFacebookなどの有名なアメリカのIT企業が採用し始めたことで注目を集めました。アメリカ国内だけでなく日本国内でも採用されており、メルカリなどもOKRを社内の指標として採用しています。

 

大きな目標に対して従業員1人1人がどのように取り組んだのかを把握しやすくなるため、より公平な人事評価ができる点もOKRが注目されているポイントです。

KFS(CSF)との違い

KGIとKPIは成功するための要因をしっかりと分析した上で設定しなければ、効果が薄れる傾向にあります。より効果的なKGIとKPIを設定するためには、KFS、またはCSFが大切です

 

KFSはKey Factor for Success、CSFはCritical Success Factorの略であり、どちらも目的を達成するために重要な要因という意味があります。

 

KGIとKPIを成功させるための要因としてよくあげられる分析ポイントは、自社と競合他社の強みと弱み、サービスや商品のニーズや市場動向です。これらをしっかりと分析することによって、より効果的なKGIが見つかり、そのKGIを達成するためにKPIを設定していくという好循環が生まれます。

 

KFS(CSF)とは、KGIやKPIを設定するための大切な要因であると覚えておきましょう。

 

KPIを設定するメリット・効果

ここまで、KPIやKGIなどについて解説してきましたが、KPIをしっかりと設定することによって、どのようなメリットや効果を得られるのでしょうか。ここでは、KPIを設定するメリットや効果について解説します。

将来像を明確に共有できる

実際に組織内でKPIを設定するときは、言葉や概念だけでブレイクダウンしていくのではなく、KPIごとに「単位」を設定し「数値化」していくことになります。

 

逆をいえば、「具体的に数値化できる指標」をKPIにするからこそ、チーム内で合意が形成しやすく、将来像を明確に共有することが可能です。

 

またKPIツリーとして、最終目標と結びついたかたちで可視化されれば、ストーリーとして理解しやすくなるという効果も期待できます。

 

大きなプロジェクトになればなるほど関わるスタッフの数も多くなりますが、KPIを設定すれば、スタッフごとに違う目標を掲げてしまい組織としての最終目標を見失うといった心配がありません。

 

将来像を明確に共有すれば、スタッフそれぞれにタスクを割り振ることができ、やるべき業務に集中できます。目標に向かってタスクを1つ1つ達成できるため、スタッフのモチベーション維持にもつながるでしょう。

 

チーム内の合意形成がしやすい

KPIを設定すればチームで同じ目標を共有できるため、何かチーム内で合意を得なければいけないシーンがあったとしても、意見が分裂するリスクが少なく、合意形成がしやすくなります。

 

合意形成がしやすくなれば、よりスムーズにプロジェクトを進められるでしょう。

 

プロジェクトがスケジュール通りに進まない、いつも会議でチーム内の意見が分離してしまうなどと困っている場合には、しっかりとKGIとKPIを設定すれば解決できる可能性もあるでしょう。

進捗管理がしやすい

目標をしっかりと定めてKPIを設定することによって、やらなければならないタスクが明確化されます。そのため、それぞれのタスクをスタッフに割り振りやすくなり、タスクごとの進捗管理はもちろん、プロジェクトとしての進捗管理もやりやすいです。

 

そのため、タスクによって進捗通りにできていない業務にスタッフを補充するなどの調整もしやすくなります。進捗が見える化されれば、大幅なスケジュールの遅れや作業のやり直しなどを防げて、取引先からの信頼も得られます。

人事評価の基準を統一できる

同じ目標やKPIを共有して業務に取り組むことによって、社内で人事評価の基準を統一できるというメリットもあります。

 

KPIでスタッフごとの役割や達成度が分かりやすくなれば、人事評価の基準が統一しやすくなり、客観的で正当な人事評価が可能です。個人の印象などに左右されない、具体的な評価制度ができれば、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。

指標をストーリーとして落とし込める

KPIは、目標を達成するために設定する具体的なプロセスです。目標に対しての指標にストーリーや流れをつけてチームや個人に落とし込めます

 

タスクの優先度がつき、指標にストーリーがつくことによって進捗管理がしやすくなったり、製品を開発するようなプロジェクトの場合にはスケジュールが組みやすかったりとさまざまなメリットがあります。

KPIの設定方法

ここまではKPIのメリットや効果などについて解説してきましたが、ここからは具体的なKPIの設定方法について解説していきます。

まずはKGIを設定する

KPIを設定するためには、KGI(目標)の設定が必要不可欠です。イメージとしては、KGI(目標)の下にツリー型にいくつものKPIが連なっていると考えると分かりやすいでしょう。

 

KGI(目標)を達成するためにはどのようなプロセスを辿れば良いのかをしっかりと分析した上で、KPIを設定するようにしてください。

KFSで成功要因を明確に

KGIを設定したら、KFSも考慮する必要があります。しっかりと自社のサービスや商品を分析し、競合他社と自社で差別化できるポイントを理解した上で、KGIとKPIを設定するようにしましょう。

 

KFSをしっかりと分析していないと、KGIを立てたとしても、それに対して有効なKPIを設定するのは難しいです。現状をしっかりと分析することが、ビジネスや事業を成長させていく何よりの近道になるので、KFSの分析を怠ることがないようにしましょう。

KPIを設定

KGIを設定してKFSをしっかりと分析すれば、有効なKPIが見えてくるでしょう。KGIやKSFを元にして設定したKPIからさらに細分化して、達成するためのフローを作成します。

 

そのために便利なのがKPIツリーです。目標の達成に必要なタスクが一目で理解できて、誰が見ても分かりやすいデータになります。

KPIの設定には「SMART」が重要

実際にKPIを作成してみたけどうまくできない、設定のコツを知りたいという方のために、ここではKPIを設定するために大切といわれている「SMART」について解説していきます。

 

Specific(明確性)

KPIを設定する際には、チーム内で共有するために明確な内容にする必要があります。そのためには、KPIに数値や日付などの誰が見てもイメージできる内容で設定するのが効果的です。

 

KPIを設定する目的の1つは同じ目標を共有することなので、誰もが理解・解釈できる内容に設定するのが必要不可欠となるでしょう。

Measurable(測定可能)

KPIは測定可能であるというのも大切です。現状の数値はいくつなのか、タスクの進捗によってその数値はどのように変わるのか、目標とする数値はどれくらいなのか、それぞれがしっかりと数値として明確に測定できなければなりません。

 

数値化が難しい、特定地点の数値が見えにくいといった場合は、KPIとして設定するのに不向きなので、できるだけ数値化が可能な部分でKPIを設定しましょう。

Achievable(達成可能)

KPIは達成できなければ意味がありません。到底達成できないような大きな目標は目標ではなく、夢で終わってしまうことがほとんどです。

 

大きすぎるKPIを設定してしまったためにチームの士気が下がってしまう、もしくは、KPIを誰も意識せず設定した意味がなくなってしまうという場合もあります。

 

また、ポジションやスキルによって達成できるかどうかの度合いが変わるものは、チーム全体のKPIとしては不向きです。誰が見ても達成可能で、同じ認識でプロジェクトや業務を進められるKPIを設定するようにしましょう。

Related(関連性)

KPIを設定するためには、KGIの設定が必要です。そして、1つのKGIに対して1つのKPIというケースはまれで、通常は1つのKGIに対して複数のKPIを設定します。

 

ここで設定した複数のKPIは、全て同じKGIに辿りつくようにするというのが大変重要です。関係性のないKPIを複数設定してもKGIに辿りつけないため、必死にKPIをこなしたのに最終目標であるKGIは達成できなかったという事態になりかねません。

 

複数のKPIは、しっかりとKGIを達成するために必要なのか、KPIそれぞれに関連性があるかを設定する際に確認しましょう。

Time-bounded(期限設定)

KPIを設定するときには期限の設定も忘れないようにしましょう。しっかりとした期限を設定すれば、タスクに優先度をつけて効率的に業務が進められます。

 

優先度をつけるとタスクの可視化につながり、結果としてプロジェクトとしての進捗管理も行いやすくなるでしょう。

また、期限を設定しないと他の業務を優先して後回しにされてしまうケースも少なくないため、しっかりとした期限設定が大切です。

KPIを設定するときの注意点

KPIを設定するためのコツとして、「SMART」について解説しましたが、次はKPIを設定する上で特に注意しなければならないポイントを紹介していきます。

内容が明確で定量化できる指標に

前述の通り、KPIはチームやプロジェクトでの目標を統一化が目的です。そのため、人によって解釈が変わる内容やあいまいな目標などをKPIとして設定するのは控えましょう。誰が見ても同じ内容で理解・解釈ができるように数値を使用することが大切です。

KGIにつながるKPIを設定

KPIはKGIを達成するために必要なプロセスであるため、KGIと関連性のない内容を設定してしまうと目標がぶれてしまい、KPIを設定した意味が薄れます。KPIを設定する際には、しっかりとKGIと関連性があるのかの確認はするようにしてください。

KPIの具体例

それでは実際に、さまざまな職種ごとに具体的なKPIの設定例をご紹介していきます。

採用

以前までは、新卒採用でKGIやKPIはあまり重要視されていませんでした。しかし、現在は新卒採用や第二新卒の採用でKPI設定を行うケースも増えてきています。

企業としてどのような人材がほしいのか、何人採用したいのかなどをKGIで設定して、そのために必要なプロセスとして説明会の頻度や対象などをKPIとして設定する企業もあります。

 

採用活動を行うごとにKPIの設定や分析、改善を行っていけば、採用活動もしやすくなるでしょう。

マーケティング

マーケティングでは、主にサイト経由の売上やCV数などがKGIとして設定されます。そのためには、現状をしっかりと分析し、どのようにすればKGIを達成できるのかを考えた上でKPIを設定する必要があるでしょう。

Web広告を掲載する、SNSなどで商品やサービスをPRするなどが具体的なKPIとしてあげられます。1人1台スマートフォンを持つ現代では、しっかりとしたKGI・KPIの設定が企業を成長させていくことにつながっていくため、今以上に重要視されていくでしょう。

営業

営業職の場合には商品の成約数、売上高などがKGIとして設定されます。そして、KGIを達成するためには、自社で販売している製品の特徴や行っているサービスの強み、競合他社との違いなど、自社の情報をしっかりと分析して、現状を把握することが必要不可欠です。

分析して自社の状況を把握してからKPIを設定すれば、より有効的なKPIの設定ができるでしょう。また、営業職の場合には部署やチームだけでなく、個人単位でもKGI・KPIが設定しやすい職種でもあります。

結論:KPI設定・数値は大変!

今後は、働き方改革の実現、コロナ禍でのリモートワークを行う企業の増加、ダイバーシティが今以上に浸透していくことなどから、明確なKPIの設定がプロジェクトをうまく進めていく上で重要になります。

 

KPIを設定するのは大変ですが、今回ご紹介したKPIの設定に重要な「SMART」や設定する際の注意点をしっかりと踏まえていけば、有効なKPI設定が可能です。

 

しかし、たくさんのKPIを設定すれば、それだけ管理に手間がかかります。KPIの継続ができなくなってしまう、レポートを完成した時点でデータが古い、といった事態が起こると、現場への負荷が大きいのに実際には役に立たないということにもなりかねません。

 

そんなときには、KPI管理ツールの導入をご検討ください。

 

 KPI設定では、KPIを管理することではなく、KPIに基づいたアクションにこそ時間をかけるべきです。具体的なKPIツリーを作成したり、KPIマネジメントを運用するときには、Scale Cloudが役に立ちます。

 

詳細を知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードしてみてください。

 

執筆者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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