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KPIとKGIの違い。設定方法やポイント、具体例を解説

2021.10.14
KPIとKGIの違い。設定方法やポイント、具体例を解説

マーケティングなどで聞く機会も多いKPIやKGIですが、実際にはどのような意味なのか、どういう違いがあるのかを理解できていない人もいるでしょう。

この記事では、KPIとKGIの違い、KGIの重要性、職種別のKPIとKGIの具体例などを紹介していきます。

KPIとKGIの違いや業務にどうやって生かしていけばいいのかを知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

KPIとKGIは何が違う?

事業目標を効率良く達成していくためには、目標はもちろん、達成する過程もしっかりと具体化する必要があります。

目標の達成率というのは計測しにくいものではありますが、「KPI」・「KGI」という計測指標を用いることで目標達成度の具体化が可能です。今回は、そんな目標達成までのプロセスの具体化に重要な役割を持つ、KPIやKGIについて詳しく解説していきます。

KPIとは

KPIとは、Key Performance Indicatorの頭文字の略で、日本語では「重要経営指標」や「重要業績評価指数」などと訳される言葉です。言葉通り、目標を達成するまでに必要なプロセスを具体化するための指標になります。

例えば、自社のオンラインサイトで販売している商品がある会社が、ECサイトでの売り上げを20%UPさせようという目標を設定したとします。

ECサイトでの売り上げをUPさせる方法は、商品数を増やす、単価を上げるなどさまざまですが、今回は単純にECサイトへのアクセス数を増加させる方法でKPIを設定してみましょう。

まず、現在ECサイトにアクセスした顧客から、どれくらいの人が商品の購入までにつながっているのかを分析します。

その分析結果を元にすれば、どれだけECサイトへのアクセス数を増やせば売り上げを20%UPさせられるのか、具体的な数字が見えてくるはずです。この、「ECサイトでの売り上げを20%UPさせるために来月のECサイトへのアクセス数を○○%増やそう」と決める指標がKPIになります。

KGIとは

KGIとは、Key Goal Indicatorの頭文字の略で、日本語では「重要目標達成指数」と訳されます。つまり、KPIは中間目標のようなものだとしたら、KGIは最終的に達成すべき目標を指す指標です。

先ほどの例でいうと、KGIは「ECサイトで売り上げを20%UPさせる」という部分です。KGIを設定することでゴールが明確になり、進むべき道が分かりやすくなります。

KPIとKGIの違い

KPIとKGIの違いは、KGIは主に目標の結果を見る指標であり、KPIは目標達成までの過程を見る指標という点です。

イメージとするならば、KGIの下にいくつものKPIがツリー型に連なっていることになります。どちらも企業においては重要なものなので、覚えておきましょう。

OKRとの違い

現代では、ダイバーシティという言葉をよくニュースなどで目にするようになり、働き方や働く環境がどんどんと変化しています。その中で、インテルが考案してGoogleやFacebook、メルカリなどが導入している「OKR」という指標が注目されはじめました。

OKRとはObjectives and Key Results の略で、日本語では業績評価制度と訳されることが多い傾向です。目標(Objectives)と主な成果(Key Results)によって、より高い目標を達成するための指標になります。

目標(Objectives)には非常に高いテーマを指定します。これらは四半期ごとに設定されることが多く、高い目標を社内に設定することによって従業員1人1人の自発的な挑戦をうながす方針です。その結果として、従業員と会社全体の目標が明確になり、生産効率のUPや業務改善などが期待できます。

主な成果(Key Results)は、目標を達成するためにどのような成果を上げたのか、成果を上げるためにどのように取り組んだのかを図る指標です。非常に大きな目標を掲げるため、設定された目標を100%達成するのは難しいでしょう。

しかし、主な成果はそれまでに従業員がどのように取り組んだのかを図る指標になるため、そのまま個人の業績評価や人事評価へつなげることが可能です。主な成果の設定は、組織やチームなどで個人個人の役割を明確にして、適切に行う必要があります。

適切に設定することによって、組織全体でのコミュニケーションの向上につながり、より社内を活発にするという効果も持ち合わせています。

KPIやKGIが部署ごとやプロジェクトごとに設定されることが多いのに対して、OKRは社内全体など部署間を超えた大きな枠組みで行われることが多い傾向です。

また、昨今は社内がダイバーシティ化し、価値観や宗教観をはじめとして多種多様な人と働くのが一般的になってきた企業もあります。そうした企業では、今までの日本企業的な人事評価や業績評価は公平にならないことがあり、そういった従来の日本式の評価制度を見直そうとしてOKRを導入する企業が増加中です。

KPI・KGIに欠かせないKFS・CSFとは

KPI・KGIを設定する上では、KFS・CSFも重要です。

KFSはKey Factor for Successの略で、日本語では「重要成功要因」、KPIで特に目標達成につながる成功要因をいう意味で使用されます。CSFはCritical Success Factorの略で、日本語では「主要成功要因」と訳され、ほぼKFSと同じ意味です。

KGIを達成するためにはKPIの適切な設定が大変重要ですが、KFS・CSFをしっかりと分析しないと、KGIに有効なKPIの設定が難しくなります。

効果的なKFS・CSFを見つけ出すためには、しっかりと自社の商品やサービスの特徴や強み、弱みなどの特徴をしっかりと分析するのが大切です。そして、商品の市場も合わせて分析することで、より効果的になります。

自社の特徴をしっかりと分析して競合他社との差別化ができる部分を洗い出せば、さらに効果的なKFS・CFSを見つけられるでしょう。

加えて、自社のビジネスフローも見直すと良いです。部署や部門ごとにビジネスフローを洗い出して再確認すれば、コストダウンやできる部分や商品やサービスに対して新たな付加価値をつけられる部分を見つけられる可能性もあります。

そうした、付加価値を高められる部分やコストダウン可能な部分をKFS・CSFとして設定してみてください。

KGIを設定するメリット

効率良く目標を達成していくためにはKGIの設定が重要とされていますが、KGIの設定によってどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、KGIを設定するメリットを4つ紹介します。

  • 目標が明確になって方向性が共有できる
  • 具体的な指標ができることでモチベーションが上がる
  • タスクが視覚化できて優先順位をつけやすくなる
  • 人事評価の基準ができる

それぞれのメリットについて詳しく解説していくので、ぜひご覧ください。

目標が明確になって方向性が共有できる

組織やチームで仕事をしていく上で明確な目標や指針がないと、どうしてもプロジェクトがうまくいかず、暗礁に乗り上げてしまう可能性もあるでしょう。

そうしたときにプロジェクトとしてKGIをしっかりと設定し、それに付随するKPIを適切に設定することによってチームとしての目標が明確になり、方向性のブレを防げます

特に、従業員には会社やプロジェクトとしての明確な指針を示さないと、会社に対して不信感が出てしまうので、そういった不信感を抱かせないためにもKGIの設定が重要です。

具体的な指標ができることでモチベーションが上がる

KGIの設定は、従業員のモチベーションアップにもつながります。明確な目標がないと、従業員は業務に対してやりがいや達成感を感じるのが難しくなり、自分は適切に評価されるのかといった不安や不満を抱いてしまうでしょう。

しかし、プロジェクトやチームの中に共通の目標ができれば、その目標に対して従業員1人1人が目標を達成していくためにやらなければならないことが具体的になります。チームやプロジェクト全体の士気も上がり、プロジェクトも順調に進みやすいです。

従業員のモチベーションの維持、チームや一緒に働くメンバーの士気の向上は、プロジェクト成功には必要不可欠な条件なので、明確で適切なKGIを設定するようにしてください。

明確なKGIを設定するためには、顧客単価やWEBサイトのアクセス数など、具体的な数値にする必要があります。現実的に実現可能で、誰が見ても理解できるような簡潔なKGIを設定すると良いでしょう。

タスクが視覚化できて優先順位をつけやすくなる

KGIを設定すると、達成するまでのタスクの量や順序を明確に整理できて、タスクの優先順位がつけやすくなります。

そのため、従業員が目標を達成するために何から手をつければ良いのかなどと迷う心配もなくなり、優先順位の高いタスクから効率的に達成していくことが可能です。また、タスクの量や順序が明確に決まると、プロジェクトの進捗状況の管理も行いやすくなります。

KGIを設定しない場合、目標に対してどれくらいのタスクがあるのかを共有できず、優先順位を個人個人が決めるようになってプロジェクトが円滑に進まない、というケースになりかねません。プロジェクトをうまく進めていくためには、KGIを適切に設定しましょう。

人事評価の基準ができる

適切なKGIを設定すると、プロジェクト内で従業員ごとに担当する役割やタスクが明確に割り当てられるため、人事評価を行いやすくなります。

プロジェクト全体としての評価だけではなく、個人に割り当てられたタスクや業務の進捗度、取り組んだ内容に対してより細かいフィードバックが可能です。仕事内容や達成度に応じて正当に評価がされるとなれば、従業員も目の前のタスクに集中して取り組むようになり、円滑にプロジェクトを進められるでしょう。

人材育成から見るKGIの重要性

KGIの適格な設定は、人事評価やプロジェクトを成功させることだけではなく、人材育成においても効果的です。ここでは、人材育成の角度からKGIの設定のメリットや重要性について解説していきます。

  • 採用活動
  • 人材育成
  • 新人研修
  • 組織開発

以上の4つの観点から解説していくので、見ていきましょう。

採用活動

以前までは新卒採用でKGIやKPIを設定する企業は多くありませんでした。しかし、少子高齢化によって労働人口が減少し、人材の確保が難しくなってきていることから、採用活動を行う際にもKGIやKPIの設定を重要視する企業が増えてきています。

年度ごとに最終的な採用人数をKGIとして設定し、その人数を採用するために行うべきアクションをKPIとして定めて、しっかりと管理していくことが大切です。

KGIを設定せずにただ闇雲に採用活動を行ったとしても、優秀な人材が集まらず、最悪の場合には1名も採用できないといった事例も起こりえます。今後の採用活動では、自社にはどういった人材が必要で今年度は何名採用したいのか、しっかりと設定して管理していかなければいけなくなるでしょう。

人材育成

企業のデジタルトランスフォーメーションなどの効果によって、人材に対する投資の効果も見える化ができるようになってきています。

そのため、人材を育成する際にもしっかりとしたKGIを設定して人材育成を行えば、今持っているスキルや教育による成長度などを管理した上で、効率的な人材育成が可能です。その結果、会社の利益の向上やより良い労働環境を構築もできるでしょう。

今後はますます、デジタルトランスフォーメーションを行った会社が効果を発表して、人材育成におけるKGIやKPIの設定の重要性が見直されることが期待されています。

新人研修

新人研修に関しても明確なKGIの設定は重要で、新人にとっても新人研修を行う企業にとってもメリットがあります。

新人の場合には、形式的な新人研修を受けるのではなく、目標を確認した上で新人研修へと取り組むことで、企業が何を目的として何を目指しているのか、そのために行うべき業務は何かなどを把握しやすくなり、研修に身が入りやすくなるでしょう。

一方で、新人研修を行う企業側としては、その年に設定していたKGIを振り返りながら、新人の成長具合などを確認して新人研修の内容を精査していけば、毎年新人研修をレベルアップできます。

新人研修は、ビジネスの基本となる内容をしっかりと学習するために重要なので、明確なKGIを設定してより良い新人研修を行えるように整えてください。

組織開発

KGIを設定すればチームやプロジェクトとしての一体感を出せるため、組織開発においてもKGIは役立つでしょう。

開発する製品によっては部署をまたぐものもあり、他部署との進捗状況の管理や従業員の意識共有がより難しくなってきます。

こういったときに、KGIをしっかりと設定しておけばチームとしてのゴールが決まって、他部署同士でも同じ温度感で業務を進められます。また、向かうべき方向性も分かりやすくなってタスクにも優先順位がつくため、より効率良く目標達成ができるでしょう。

【職種別】KPI・KGIの設定方法・具体例

ここまで、KPIやKGIの重要性などについて解説してきましたが、ここでは職種別にKPI・KGIの設定方法や具体例を紹介します。紹介する職種は以下の3つです。

  • 営業
  • マーケティング
  • システム開発

KPIやKGIを設定したいけどどうすれば良いのか分からないという方は、ぜひ参考にしてください。

営業

営業職の具体的なKGIには、売上高や成約率などがあげられます。営業職は他の職種と比較して結果が数字で出やすいので、KGIを設定しやすいです。KGIに設定されるのは、主に売上高、成約数となっています。

自社の情報をしっかりと分析して、分析した内容を元にして個人個人がKGI・KPIを設定、合わせてKSFやCSFも設定すればチームや部署がまとまりやすくなるでしょう。

具体的な数値が出やすい営業職では、KPIも具体的に設定すべきです。「◯カ月以内に見込み客への成約率を◯%上げる」など、期間と改善率を具体的な数値で設定することで、より進むべき方向性が具体的になります。

マーケティング

マーケティング職でKGIとして設定しやすいのは、サイト経由の売上やCV数などがあげられます。マーケティング職も営業職と同様に結果が数字として表現しやすいため、KGIも設定しやすいです。KPIは、「◯カ月以内にCVR率を◯%上げる」などが設定されます。

しかし、マーケティング職の場合は個人個人に対してKGIを設定するのは難しいです。部署や部門、チームで一体となって同じKGIを設定することによってチームの士気が上がり、モチベーションを維持できるでしょう。

システム開発

システム開発の場合は、開発すること事態がKGIになります。そして、システムを高品質にスケジュール通りに客先にしっかり納品するために、KPIの設定が重要です。

システム開発のKPIは、進捗率や生産性などが設定されるケースが多く、期間は納期から逆算して設定されます。

KPIやKGIをしっかりと設定すれば、作業の進捗確認やタスクの優先度の可視化が可能です。システム開発はスケジュール通りにいかないことや、トラブルが発生してしまうことも少なくありません。

しかし、KGI・KPIをしっかりと決めておけば、スケジュール管理やタスク整理をしやすくなり、被害を最小限に抑えられます。大人数のプロジェクトになればなるほど、スケジュール調整やタスクの管理は大変です。大人数でのプロジェクトの場合には、特にKGIやKPIの設定を行うようにしましょう。

KGIが今後重要になる業界は?

今後は、5GやAR・VRなどの新しい技術の発展によってますますIT業界は拡大し、影響力を高めていくでしょう。そうした際に、自社の製品やサービスについてしっかりとKGIやKPIを設定すれば、大人数のプロジェクトでも円滑に進められます。

また、IT企業は多くの人種や価値観を持った人々が集まるため、目標や目標を達成する過程をより分かりやすく指標にして示さなければいけません。

IT企業は目標の達成度などが目に見えにくいため、KPIで具体化することで従業員1人1人が熱量を持って業務に取り掛かりやすくなり、円滑にビジネスを進められるでしょう。

まとめ

KPIは目標を達成するまでに必要なプロセスを具体化するための指標、KGIは最終的に達成すべき目標を指す指標を指します。

KGIを設定することで以下の4つのメリットが得られるため、企業は積極的にKGIとKPIを設定すべきでしょう。

  • 目標が明確になって方向性が共有できる
  • 具体的な指標ができることでモチベーションが上がる
  • タスクが視覚化できて優先順位をつけやすくなる
  • 人事評価の基準ができる

これからKGIやKPIを設定して業務を進めていきたいとお考えの方には、Scale Couldがおすすめです。事業全体の数値を部門に関わらずに可視化できて、優先すべきKPIが分かるため、チームプレーでビジネスを成長させられます。

実際のビジネスにはさまざまな潜在的な問題があり、KGIを決めることができてもKPIをしっかりと決めることは難しいです。「Scale Cloud」を利用して最適なKPIを設定し、ビジネスを成長させましょう。

執筆者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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