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新規上場の「Appier」、顧客獲得のAI活用などでARR94億円!

2021.03.04
新規上場の「Appier」、顧客獲得のAI活用などでARR94億円!

自社KPIだけではなく他社のKPIはどうなっているのか、という声に応えていきます。

今回は、2021年2月24日に東証マザーズ上場が承認された、エイピア・グループ(Appier Group)のKPIを取り上げたいと思います。

 

エイピアグループとは

同社は台湾発のAIテクノロジー企業で4つのAI SaaS ソリューションを提供しています。

CrossX

最も生涯価値の高いユーザーを予測して、高い投資対効果を実現することができるユーザー獲得のプラットフォーム。

マーケティングファネルの一番上「潜在ユーザーの予測・獲得」のためのソリューションです。

ユーザー企業がCrossXと連携すると、ユーザーデータの取り込みを行い、プロフィールや過去の行動といったデータの組み合わせが、CrossXのディープラーニングモデルに入力され、そこから質の高いユーザーの特性をあぶり出し、最も良い投資効率を見込めるユーザーを予測するという仕組みです。新たに獲得したデータについても学習を進めるため、継続することで予測精度を向上させることができるようです。

個人的には説明動画がとても秀逸だと思いました。

 

AIQUA

AIを活用して、ユーザーにパーソナライズされたメッセージを作成し、最も効率的にあらゆるチャネルを通じて、ユーザーとのエンゲージメントを実行するプラットフォーム。

Webプッシュ通知、メール、SMS、メッセンジャーアプリといったさまざまなチャネルを管理できて、パーソナライズされたメッセージを最適なタイミングで自動的に作成・送信してくれます。

 

AiDeal

購入をためらっているユーザーを特定し、売上の最大化と購入の動機づけをもたらすプラットフォーム。

ユーザーのモバイル画面でのタッチやスワイプなどの様子から、購入をためらっているかどうかを検出した上で、カスタマイズされた期間限定割引などのオファーを提案し、購入につなげるそうです。

 

AIXON

AI予測モデルを自動的かつ簡単に構築し、容易にオーディエンスの行動予測を行うことを可能にするプラットフォーム。

既存ユーザーの行動予測を可能にするもので、たとえば、ユーザーの潜在的な解約リスクを把握することで、最適な施策をタイミングよく実施し、将来の損失を回避するといったことが可能のようです。

 

以上、4つのソリューションは、それぞれマーケティングファネルの別階層に対応していて、新規ユーザーの獲得から関係強化、購買促進、行動予測までをカバーできるということですね。

 

業績推移について

同社の業績推移ですがこのような感じです。

 

売上は右肩上がりの拡大が続いており、2020年12月期には約90億円まで拡大しています。一方、営業損失は約16億円に縮小していますね。

 

KPI

ここで2020年12月期の主なKPIについて見ていきたいと思います。

 

ARRとリカーリング売上収益比率

 

グラフの通り、年間経常収益(ARR)は94.4億円に順調に拡大しています。またその拡大スピードもARR成長率35.4%と好調のようです。

一方、顧客の継続性をあらわすリカーリング売上比率は95.8%にもなっており、ストック型のビジネスモデルが構築できている状態と言えます。

 

解約率とNRR

 

 

グラフの通り、カスタマーチャーンレートは0.82%、レベニューチャーンレートは0.591%と驚異的な数値です。その結果、NRR(ネットレベニュー・リテンションレート/売上継続率)は118%と高くなっています。つまり、既存顧客企業の売上だけでも前期比で18%も増えているということですね。

これは、CrossXが、顧客企業の利用量に応じた価格設定になっていて、その既存顧客企業の利用量が増加していっていることが要因の一つではないかと推測されます。

 

顧客企業数とARPC

 

顧客企業数は827社です。

 

それらの顧客企業としては、Eコマース&小売、ゲーム、ソーシャル&エンタメといった領域で約75%を占めていますが、トヨタ、シティバンク、ナイキといった伝統企業も顧客企業のようです。

 

 

そうした影響が相当あるかと思いますが、ARPC(1顧客企業あたり平均売上収益)、つまり平均顧客単価は1,077万円と高い水準です。

 

同社のソリューションは、ディープラーニング技術を使って、フォーマットが異なったバラバラで存在・管理している各種のデータを統合し、そういったデータを有効的に利活用しようというものですね。

弊社も、「SFA、 CRM 、 MA 、スプレッドシート、会計ソフトなど、部署ごとにバラバラでデータ管理しているので、それらを集計して事業全体の状況を把握するのに時間と手間がかかり全体最適な優先課題も見つけにくい」という課題を、

  • バラバラに管理しているKPI データや財務データを自動で集約・統合(特許取得済) 。
  • 事業運営に必要な情報がいつでもわかりやすく手元に一元管理できる。
  • 事業全体で優先的に改善すべきKPI がパッと見てわかる 。

 

ということで解決するScale Cloudというプロダクトを開発・提供していますが、「データを有効的に利活用しよう」ということにとても共感を覚えました。

また、上記のような同社の状況を見ていて、今後、ビジネスにおいてますますデータの利活用が必須のものになるとあらためて確信しました。

 

参考文献・引用

有価証券届出書

Strainer

 

自社でKPI運用しているが成果が出ない、今のKPI設計に不安を抱えている、という方は、「KPI資料」をぜひ参考にしてください。