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KPIツリーの作り方とは?事例を交えてメリットを解説

2021.02.05
KPIツリーの作り方とは?事例を交えてメリットを解説

KPIツリー とは

KGI達成のために必要な要因(中間目標)を、KPIを使ってロジックツリーで分解したものです。

たとえば、KGIを売上とした場合、売上を構成する要素を因数分解して施策が実行可能になるレベルまで落とし込まれた指標(KPI)の一覧です。どんな指標を追えばいいかが見た目にもわかるようになり、目標を達成するための道筋が見えやすくなります。

KPIツリーは「足す」「引く」「掛ける」「割る」という四則演算できる要素で組み立てることがポイントです。

 

1-1.  KPIツリーの作り方

 

KPIツリーは事業によってさまざまなカタチになりますが、たとえば、このKPIツリー(例)をもとに

作成の手順についてみていきましょう。

 

❶ KGIを設定する

まずは事業全体のゴールとなるKGIを決めます。あくまでも、最終的なゴールとなるので、

例えば「商談数」「成約率」はそれを達成するための過程であるのでKGIとしては不適切です。

例の場合は「売上」をKGIとして設定し、売上を各KPIに因数分解しています。

 

❷ KGIを起点に、それを構成するKPIをロジックツリーで分解していく

上から一段ずつ分解していき、漏れなくダブりなく分解をすることがポイントとなります。

この時に、KPIを洗い出す要素として大切なことをいくつか列挙してみます。

 

A すべての構造が四則演算できるように

各KPIは、KGIを達成するための一つの要素となります。ロジックツリーをつかって分解していく際に、「足す」「引く」「掛ける」「割る」という四則演算で各KPIの関係性を表せるように分解していくことで、そのKPIの数値が上下した場合に、KGIにどのように影響がでるのかの測定が簡単にできるようになります。具体的には、たとえば、「顧客数」を分解した時に「新規顧客数+リピート顧客数」となるように、上の階層のKPI(ここでは「顧客数」)とそのすぐ下の階層のKPI(ここでは「新規顧客数」と「リピート顧客数」)が四則演算でつながるようにします。

 

B 測定可能なKPIを設定する

例のツリーに出てくるKPIは、全てその進捗管理を定量的に行えるものです。せっかくツリーを作っても、それを測定することができなければ、どのKPIに問題があるのかが可視化されず、具体的な次のアクションへとつなげることができなくなってしまいます。「そのKPIはデータとして入手できるのか?」「入手できない場合は、手間をかけてでも入手すべきものか?」といった視点をもって分解していきましょう。

 

C これ以上分解ができないところまで分解(細分化)していく

分解すればするほど、より現場のタスクに近いKPIになっていきます。たとえば、「商談数」というKPIがありますが、分解をここで止めるのではなく、「クリック数」や「テレアポ数」といったKPIまで細分化していくことで、商談数が未達成だった場合に、どこに問題があるのか(クリック数なのかテレアポ数なのか)がよりはっきりします。つまり、これ以上分解できないところまで分解していくことで、ゴールまでの道筋のどこに問題があるのか、また、どこに注力していけば目標の達成ができそうなのかがより明確になります。

 

「新規顧客の獲得につなげるため、今月100件の商談数を確保しよう」

上図のツリーのように、「商談数」の下に、業務フローを細かくブレイクダウンすることによって、仮に「今月結局75件しか商談できなかった」という結果になった時に、「テレアポを今月5,000件する予定が4,000件しかできていなかったから」なのか「見込客数は予定通りの150件だったが、商談化率が思ったより低く、50%になってしまったから」なのかというように、どこがボトルネックとなっているのかすぐに把握できます。

一方で、「商談数」より下のKPIツリーを作らなかった場合、商談数目標100件に対し、結果しかわからず、達成したとしても「Webとテレアポでどちらの方が効率よく商談につながっているか」や「テレアポのスクリプトを改良したが、前月比でアポ率は増えているか」といったような細かな分析ができなくなり、さらなる改善を見込むことができません。また、達成できなかった場合でも、その原因が何にあるのかわからないため、本当はテレアポ数を増やさなければならないのに商談化率の改善施策だけを考えてしまうといった、的外れな方向へと進んでしまうリスクがあります。

 

1-2.  KPIツリーを作成するメリット

 

  1.目標達成に向けての視点が広がる

因数分解せずに頭でひたすら考えても4、5個くらいの視点(KPI)しか見つからなかったり、3,4階層くらいまでしか分解できなかったりしますが、100個の因子(KPI)に分解できれば、それだけで目標達成に向けた100個の視点を持つことができるようになります。

 

  2.MECE(漏れなくダブりなく)KPIを洗い出せる

ロジックツリー形式でKPIツリーをつくることで、全体を構成する因子(KPI)を漏れなく書き出すことができ、全体を見渡せるのでダブりもなくなります。

 

  3.ボトルネックを発見できる

現状とギャップが大きくて、かつ、それを改善したときのインパクトが大きい「ボトルネック」がピンポイントで浮かび上がってきます。たとえば、売上を達成するためには、「商談数を増やすためにテレアポの件数をとにかく増やすのか」、または「アポは十分とれているが、成約に至る確率が低いから営業マンの営業スキルを向上させる施策を打つのか」といったように、売上に至るプロセスの中で、どこに課題があるのか、また、どこに注力をしていけば売上目標を最短で効率よく達成できそうなのかが明確になります。

 

  4.実現可能性が高まる

社員が、事業全体のゴールと自分のやっていること(追っているKPI)との関係性や重要性がはっきりと理解できるので、日々変化する事業全体の状況に応じて柔軟かつスピーディーに対応できるようになり、また事業そのものが自分事になって当事者意識も高まるので、成果を出すことに対して前向きになれます。

 

  5.今まで見えていなかった課題が見えてくる

ロジックツリーを作っていくことでKPIが網羅的に洗い出されてくるので、いままで見えていなかったKPIやその課題が浮き彫りになります。

 

  6.PDCAが速く深く回る

漏れが減り、ボトルネックが見え、KPIの把握が正確になり、解決策も絞ることができると、すべてのステップの精度が高く速くなります。

 

  7.先行指標で管理できるようになる

KGIに近いツリーほど、遅行指標(結果指標)となっています。KPIツリーを作っていないと、KPIツリーの極めて上流の部分(KGIに近い部分)しか管理ができていないので、全体の結果が出てから、改善案を考え始めるというようなことにもなってしまいかねません。一方で、KPIツリーを細かく作っていれば、結果が出る前のコントロールがしやすくなります。たとえば、「今月半分が経過したが、見込客数が目標比で全然足りていないのでリカバリーをしないといけない」というように、月中に走りながらも軌道修正ができるようになります。

 

  8.目的が明確になり、共通認識を取りやすくなる

KPIはいくつもの階層に分かれますが、ツリー形式にまとめることで、それぞれがどの指標と結びついているのか、誰でも簡単に関係性を把握しやすくなります。したがって、チーム内で向かうべき方向に共通認識が取りやすくなり、取り組むべき施策やアクションを進めやすくなります。

 

以上がKPIツリー作成方法と作成によるメリットです。

正しくKPIツリーを用いることで、PDCAサイクルを確実に、より速く回せるようになっていきます。

最初はKPIとなりうる要素を、各種データ等を用いて洗い出し、それを業務プロセスに沿って、各KPI間の関連性を見つけて並べていき、メンバー全員でツリーを仕上げていくことで作りやすくなるはずです。また、実績の結果の振り返りと改善を繰り返していく中で、自社にとって最適なKPIツリーを常にブラッシュアップしながら作り上げていきましょう。