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今経営者に求められる力=ROIC(稼ぐ力)

2021.03.04
今経営者に求められる力=ROIC(稼ぐ力)

突然ですがROICってご存知ですか?

シンプルに表現すると「稼ぐ力」のことです。経営する上では重要指標のひとつといえます。

今回は、社長の稼ぐ力(=ROIC)というテーマでお送りします。

ROICとは

ROIC(投下資本利益率、Return on Invested Capital)とは、税引後営業利益を投下資本で割ることで求められる指標です。

この指標により、事業活動のために投じた資金(投下資本)を使って、企業がどれだけ効率的に利益に結びつけているかを知ることができます。

経営者は日々、経営判断に迫られます。経営判断とは、何に経営資源(リソース)を使うかの判断です。

リソースは、ヒト・モノ・カネ」と言われていますが、ヒトを動かすにも、モノを買うにしても、いずれにしてもカネが必要です。

経営判断とは、つまり、お金を何に使うのかの判断と言えます。

だからこそ、ROICが重要になるのです。

 

少し踏み込んだROIC

A社長 vs B社長

 

IT会社を経営するA社長と小売店を経営するB社長がいました。

A社長とB社長はそれぞれ1億円ずつ、事業に使いました。そして、1年後、

 

  • A社長:1億円を1.2億円に増やしました
  • B社長:1億円を1.1億円に増やしました

どちらが稼ぐことができたかというと当然A社長ですよね。

これがROICです。

 

  • A社長のROIC=(1.2億円-1億円)÷1億円×100=20%
  • B社長のROIC=(1.1億円-1億円)÷1億円×100=10%

 

つまり、A社長は1億円を事業を通じて20%の利回りで運用し、B社長は10%の利回りで運用したということなので、A社長のほうが運用力、つまり事業を通じての「稼ぐ力」が高かったということです。

 

ROICを言葉で説明すると、

  • 事業に投じた資金(1億円)がどれくらいのリターン(A社長2千万円/B社長1千万円)を生み出したかという投資効率をはかる指標

です。

A社長は1億円、B社長は3億円の元手の場合をみてみましょう。

 

  • A社長が1年間で稼げる額=1億円×20%=2千万円
  • B社長が1年間で稼げる額=3億円×10%=3千万円

 

B社長のほうが稼いだ「額」は多くなります。しかし、みなさんの会社でも「事業に投じる資金」には限界があると思います。裏を返せば、「事業に投じる資金を調達する(ファイナンス)」の限界があるはずです。とすれば、その「限りある資金」を事業に投じて「できるだけ多くのリターン(稼ぎ)」を得る方がいいですよね。

これが投資効率であり、ROICであり、稼ぐ力です。

 

ROICの計算

 

ROICを計算式にすると、

 

  • 利益÷投下資本

 

です。

利益は一般的には「NOPAT(みなし税引後営業利益)」を使います。

 

  • NOPAT=営業利益×(1-実効税率)

 

です。

仮に営業利益が1億円ならば、

 

  • NOPAT=営業利益1億円×(1-実効税率32%)=6,800万円

 

となります。

一方の投下資本は(使うシチュエーションによって異なってきますが)、

 

  • 投下資本=有利子負債+株主資本

 

で計算します。

仮に有利子負債(借入金や社債など)3億円、株主資本(≒純資産)1億円ならば、

 

  • 投下資本=有利子負債3億円+株主資本1億円=4億円

 

となります。

そうすると、

 

  • ROIC=NOPAT6,800万円÷投下資本4億円=17%

 

となります。

 

みなさんの「稼ぐ力」はどれくらいありますか?

ぜひ計算してみてください。

 

稼ぎ方改革

昨今、「働き方改革」がさけばれています。背景として深刻な労働力不足があり解決策として

  1. 長時間労働の解消
  2. 非正規と正社員の格差是正
  3. 高齢者の就労促進

 

が掲げられています。

 

いずれにしても、会社としてはコスト増になる可能性が高く、そのコスト増を吸収するために会社としての生産性を高めていかねばなりません。

 

たとえば、働き方改革や休日の増加で労働時間が減少すれば、生産性を高めないと今までどおりの収益性は確保できません。生産性を高めることは、投下したリソースからのリターンを最大化することです。

 

労働時間でいえば、働いた時間に対するリターンの最大化であり、会社全体でいえば、投資した資金に対するリターンの最大化です。つまり「稼ぐ力」の最大化です。

 

働き方改革によって、会社としての「稼ぎ方改革」を実現していかねば、経営が立ち行かなくなってしまうリスクがあります。

 

PL経営だけでは心配

中小・ベンチャー企業を取り巻く環境としては、

  1. 経営環境の変化が早い
  2. 未来の不確実性が高い
  3. 競合他社との競争環境が激化

このような課題が目白押しです。

 

厳しそうに思えますが、だからこそのチャンスもあります。チャンスを活かすためには、ビジネススピードを早める必要があります。

しかし、それに必要な資金が無尽蔵にあるわけではありません。そういった環境の中で、こんな悩みはないですか?

 

  • 感覚経営のまま事業拡大することにリスクを感じる
  • 今までのやり方に行き詰まりを感じる
  • いまのビジネスモデルのまま拡大しても大丈夫だろうか
  • もっと安全かつ確実な方法で一気に拡大したい
  • どこまで先行投資すべきなのかが判断できない
  • 意思決定をする際にどの選択肢がベストなのか分からない
  • 経営戦略を進める上でどれだけの資金が必要かが分からない
  • その経営戦略に適したベストな資金調達法が分からない
  • 起こりうるリスクについてしっかり備えておきたい

 

これらを解決するためには、PL経営から脱却し戦略経営を実践する必要があります。

 

ビジネスのスピードを上げる戦略経営とは

まずPL経営とは、短期的な売上や利益の最大化を目指す経営スタイルです。

 

売上や利益が増えても、投資が大きすぎれば経営的には不効率です。売上や利益が増えても、資金が増えなければ苦しくなります。

中小・ベンチャー企業は大企業のように潤沢な資金がないので、限られた資金を使って効率よく稼ぐことが必須です。

 

  1. 中長期的な戦略にそって
  2. 限られた資金を最適な戦術に投資し
  3. 最大のリターン=稼ぎを得ること

これを実現する経営が戦略経営です。

 

上場企業のROIC

参考までに上場企業のROICをみてみましょう。

自動車業界

 

精密・電機・機械業界

 

百貨店業界

 

 

コンビニ業界

 

情報通信業界

 

 

ぜひみなさんの「稼ぐ力」を計算して、これら上場企業と比べてみてください。

 

あなたの会社の業種平均

あなたの会社の同業他社と比較してみましょう。業種ごとのROIC(参考値)は以下のとおりです。

 

上場企業と比較するより、よりリアリティがあるのではないでしょうか。

 

異業種/複数事業間でも比較可能

冒頭のA社長はIT会社を経営し、B社長は小売店を経営していましたが、このように業種が違っても稼ぐ力「ROIC」は比べられます。

ぜひまわりの経営者仲間とも比べてみてください。

 

あなたの会社が、複数事業を営んでいればそれらの事業同士でも比較可能です。

たとえばA社長が、システムの受託開発事業と、エンジニアの派遣事業を行っていた場合、それぞれの事業の稼ぐ力「ROIC」を比べられます。現状と将来的なROICを考慮した上で、どちらの事業に優先投資していくかの判断材料にもできます。

 

ROICが低いと市場淘汰される

こんなケースを考えてみましょう。

あるベンチャーキャピタルがあります。どのベンチャーに投資しようか、と常に探しています。当然、投資するからにはリターンを得られる可能性が高く、かつ、そのリターンが大きい投資先を選びます。

あなたの会社がライバルよりも、将来性を含めた稼ぐ力が低かったので、そのベンチャーキャピタルは、あなたの会社ではなく、そのライバル会社に投資をしました。

ライバル会社は、より多くの資金を得てスケールし多くのマーケットシェアをおさえました。

一方のあなたの会社は市場から淘汰されました。

 

こういうことが起こり得ます。ライバルたちはすでに動き始めているかもしれません。

先手を取るためにも、その施策の一つとして「稼ぐ力」を高めることは必須といえます。

 

 

ROICを高めるために、PL経営だけではなくKPI経営にぜひチャレンジしてみてください。

KPI経営に必須であるKPIツリーの作成方法については、ぜひ次の資料をダウンロードして参考にしてください。

 

プロセスKPIと事例-入門編-

KPIツリーの作り方とメリット-実践編-