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スタートアップ向けの事業計画書の作成方法まとめ!作成する際のポイントは?

2021.11.22
スタートアップ向けの事業計画書の作成方法まとめ!作成する際のポイントは?

会社を経営するにあたって、事業計画書はとても重要なものです。しかし、今までにない新たなビジネスモデルを作るスタートアップ企業は、まだ他に比較できる企業やビジネスモデルがなく、普通の事業計画書と同じように作成するのは難しいでしょう。

では、スタートアップ企業はどのように事業計画書を作成すれば良いのでしょうか。

この記事では、スタートアップ向けの事業計画書の作成方法、事業計画書を作成する際のポイントや注意点などを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

事業計画書とは

事業計画書とは、将来どのように事業を運営していくのかといった具体的な行動を示す計画書です。会社設立の際などに、安定した事業運営や事業規模の拡大を目指すために作成するものです。

役所などへの提出が求められているわけではありませんが、ビジネスの協力者を探す際や資金調達の際に役立ちます。

経営者それぞれが思い描いているビジネスは違うため、他の人の契約書をそのまま書き写してもあまり意味はありません。自分の描いているビジネスモデルに沿った計画書を作成するようにしましょう。

スタートアップ企業が事業計画書を作成するメリット

事業計画書は提出の義務がないのになぜ作る必要があるのかという疑問を抱えている人もいるでしょう。

ここでは、スタートアップ企業が事業計画書を作成するメリットを3つ解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 計画内容が明確になって客観的に判断できる
  • 他人に理解してもらいやすい
  • 問題点や不明瞭な点を見つけやすい

この3点のメリットを、順番に詳しくご紹介していきます。

計画内容が明確になって客観的に判断できる

事業計画書にまとめることで目的や実現方法が明確になって、ビジネスとして成功するのかどうかを客観的に判断できるのが大きなメリットです。

どんなに良いビジネスプランであっても、頭の中にあるだけではただのアイデアで終わってしまいます。事業計画書を作成すれば、アイデアをビジネスプランに昇華するためには何をすべきか、どんな準備が必要なのかを明確に考慮した現実的なプランを立てることが可能です。

準備した内容をもとに目標を設定し、実現方法を綿密に練ることによって、失敗するリスクを小さくできます。

他人に理解してもらいやすい

資金調達の際などに事業計画書を提出することで、どのようなプランを立てているのか、どのくらいの資金が必要なのか、返済の目処は立つのかといった情報が詳細に伝わって、融資に値するかどうかといった判断をしてもらいやすくなります。

また、起業したばかりで右も左も分からないといった場合には、事業計画書をもとに有識者にビジネスプランについて相談すれば、具体的なアドバイスをもらいやすくなるでしょう。

事業計画書の作成は、自分の頭の中を整理できるだけでなく、しっかりとまとめることでビジネスの協力者を見つけやすくなるというメリットもあります。

問題点や不明瞭な点を見つけやすい

頭の中でイメージしているだけでは細かな部分が不明瞭であったり、問題点や懸念点が見つからなかったりと、あやふやな部分も多いものです。不明瞭な部分が多ければ多いほど、ビジネスをうまく前に進めていくのは難しいでしょう。

事業計画書を作成すれば、ビジネスを始める前に問題点や不明瞭な部分を確認できて、失敗するリスクを軽減できます。

事業計画書を作成するのは時間はかかりますが、こうしたビジネスの失敗の原因となりえる事柄を事前に確認できるのは何よりのメリットです。

スタートアップの事業計画書に求められる内容

事業計画書を作成するメリットについて解説しましたが、スタートアップ企業の事業計画書には、どのような内容を記載すれば良いのでしょうか。事業計画書を作成するにあたって、特に考慮するべきは以下の4点です。

  • ビジネスモデルや将来性を示しているか
  • 市場ニーズを理解できているか
  • 他社との差別化要因
  • 投資や融資を求める場合は相手が重視している内容

ここからは、この4点を詳しくご紹介していきます。

ビジネスモデルや将来性を示しているか

ビジネスモデルや将来性が含まれていなければ、ただのビジネスアイデアをまとめた書類で終わってしまいます。

事業計画書にはどのようにして利益を獲得していくのか、ランニングコストはどの程度かかるのか、結果として収支はどうなるのかなどが最低限記載されていなければ意味がありません。

事業計画書を作成する方の目的の多くは、資金調達にあります。出資してくれる方や融資してくれる銀行は、出資や融資に対するリターンがどの程度あるのかが1番確認したい内容です。ビジネスモデルの記載もなく、将来性もないような会社に出資・融資してくれるところは非常に少ないため、ビジネスモデルや将来性に関してはしっかりと明記しましょう。

市場ニーズを理解できているか

どれだけ素晴らしい製品やサービスを思いついたとしても、市場ニーズを理解できていなければ顧客を集められず、ビジネスとして継続していくことは難しいです。

事業計画書を作成する際には、市場ニーズに応じたビジネスモデルになっているかどうかを確認しましょう。市場ニーズを理解して事業計画書を作成すれば、自然とビジネスの将来性も見えてきます。

買い手がいないとビジネスは成立しないので、市場ニーズの把握は忘れないようにしてください。

他社との差別化要因

事業計画書には、競合他社と自社の製品やサービスはどのような違いがあるのかを明記する必要があります。多くの製品やサービスには競合他社が存在しているため、そうした企業との差別化できているのかもしっかりと確認してください。

差別化を図るポイントは、品質、アフターサポート、価格などさまざまです。どこがどのくらい競合他社の商品と違うのか、差別化要因は顧客に対してのアピールポイントになるかどうかをしっかりと確認して、事業計画書に明記するようにしましょう。

投資や融資を求める場合は相手が重視している内容

事業計画書は資金調達の際に必要となるため、相手がどういった内容をもとに投資や融資の決定をしているのかをリサーチして内容を精査することも大切です。

説得力のある事業計画書を提出できなければ資金調達はできず、ビジネスが滞る可能性も考えられます。

多くの投資家や銀行が重視するのは、将来性と継続的な収益性です。この2つのポイントを事業計画書に盛り込みながら、投資や融資をお願いする相手が重視しているポイントも合わせて記載するようにしましょう。

事業計画書の作り方

事業計画書に記載すべき内容を理解したところで、実際に事業計画書はどのように作成していけば良いのかについて見ていきましょう。

事業計画書は、主に以下の3ステップで行われます。

  • リーンキャンバスを活用して事業内容を可視化する
  • どんな目的で事業計画書を作成するのかを決める
  • 目的に合わせて事業計画書を作成する

ステップごとに詳しく解説していくので、見ていきましょう。

リーンキャンバスを活用して事業内容を可視化する

リーンキャンパスとは、ターゲットとする顧客や顧客の課題、解決方法など、ビジネスモデルを9つの要素に細分化し、1つの図にまとめて検討する方法です。

事業プランを一目で確認できるため、新事業を立ち上げる際に課題や問題点、不明瞭な点を可視化しやすいというメリットがあります。リーンキャンバスの9つの要素について詳しく解説していきます。

顧客セグメント

まずは、製品やサービスのターゲット層を書き出します。世間のニーズとかけ離れてしまわないように、性別や年齢、居住地域などをしっかり区分して分析する重要な要素です。

また、自社商品やサービスをいち早く利用してくれて、他のユーザーに対しての影響も大きい顧客であるアーリーアダプターにも注目しましょう。

アーリーアダプターの特徴をとらえておくと、今後の商品やサービスを展開していくうえでの方向性を定めやすくなります。

問題・課題

顧客セグメントが決まったら、顧客が抱えている問題や課題を3つほど書き出します。問題や課題を確認して顧客ニーズと照らし合わせることによって、商品のユニーク性を見いだしやすくなるでしょう。

独自の価値提案

独自の価値提案とは、他社の製品やサービスと差別化できるポイントです。顧客は自社製品やサービスのどういったところに満足してお金を払ってくれるのかを明確にしておくと、どういった部分を顧客に対してアピールすれば良いのかを検討しやすくなります。

ソリューション(解決策)

独自の価値提案をもとに、顧客が抱えている課題をどのように解決できるのかを書き出します。他社の製品やサービスと比較しながら、自社製品やサービスの強みによって顧客の課題をどう解決できるのかを検討しておくと、顧客への営業なども行いやすくなるでしょう。

チャネル(販路)

製品やサービスをどのように販売していくのか、顧客に対してどのようにアピールしていくのかを書き出します。

これは、ターゲットとしている顧客に最適な広告方法を検討することが重要です。テレビCMやWEB広告、SNSなど、性別や年齢によって最適な広告媒体は大きく異なるので、顧客情報に注目しながら検討してください。

収益の流れ

どのように収益を発生させるのかを検討するフェーズです。まずは、製品やサービスの価格の設定や収益モデルについて書き出します。商品の場合は単価がどのくらいなのか、サービスの場合は月額がいくらなのかなどを詳細に設定しましょう。

WEBサービスの場合には、お試し期間を導入する、通常は無料にして有料プランを追加するなどのビジネスプランも検討する必要があります。

コスト構造

ビジネスでは人件費や広告費など、さまざまなコストがかかります。そういったビジネスに必要なコストを書き出していくのがコスト構造です。

しかし、それぞれの項目にどれだけ費用がかかるのかを具体的に把握するのは難しいでしょう。その場合には、ビジネスが進むにつれて明確なコストが判明した際に、随時金額を追記していくようにしてください。

主要指標

主要指標とは、ビジネスにおける最終目標を達成するための中間地点のようなものです。一般的にはKPIと呼ばれることが多い項目で、現在ではスタートアップ企業に関わらずKPIを設定している企業が増えています。

サービスの契約率やHPのアクセス数やSNSのフォロー数などの、数値化しやすい指標を設定することが多い傾向です。

優位性

競合他社と比較して、どれくらい自社の製品やサービスに優位性があるのかを書き出します。製品やサービスを生み出すためのノウハウや品質、実績など、競合他社が簡単には真似できない内容を記載するようにしましょう。

どんな目的で事業計画書を作成するのかを決める

事業計画書を作成する目的は、大きく分けて2つあります。それぞれの目的別に記載すべき内容が変わるので、ご自身の目的に応じて作成するようにしましょう。

資金調達

資金調達をする際には、ビジネスモデルの収益性や将来性を明記する必要があります。出資や融資した金額に見合うリターンがなければ、多くの投資家や銀行はお金を出してくれません。

どのくらいの収益を得られる見込みがあるのか、将来的にどのくらいの顧客を集められるのかなどを、グラフや表、図なども使用しながらできるだけ詳細に記載しましょう。

事業拡大

事業拡大を検討している場合には、市場ニーズの分析やターゲットとする顧客、顧客の抱える課題やその解決方法を明記しましょう。事業拡大する目的を明記して公表する必要があるため、こうしたポイントは必ず押さえるようにしてください。

目的に合わせて事業計画書を作成する

どんな目的で事業計画書を作成するのかを決めたら、目的に合わせて実際に作成してみましょう。事業計画書を作成するうえで記載すべき内容は、以下の7項目です。

  • 企業の概要
  • 代表者・経営者の紹介
  • 事業計画や理念
  • 市場規模や競合他社
  • 販売戦略
  • 財務計画
  • 将来性・ビジョン

それぞれを詳しく見ていきましょう。

企業の概要

事業計画書には、どういった企業なのかを明記しましょう。本社所在地や設立年月、従業員数、事業内容など、企業を知ってもらうポイントとなる項目は必ず記載するようにしてください。

代表者・経営者の紹介

代表者や経営者の情報も忘れないようにしてください。代表者や経営者が信頼できる人物かどうかはとても重要です。特に、融資を受ける際には代表者や経営者が借金を抱えていたりすると融資を受けられない可能性もあります。しっかりと信頼できる人物であるという証明をしましょう。

事業計画や理念

どういった事業計画を立てているのか、企業としてどのような理念を掲げているのかについて記載しましょう。事業計画で事業内容をより詳細に説明し、経営理念によって企業の考え方や姿勢を伝えると、その企業の方向性が見えやすくなります。

市場規模や競合他社

市場規模や競合他社についても、しっかりと分析したうえで端的に記載しましょう。特に資金調達を目的としている場合には、ビジネスの将来性や収益性、競合他社との差別化できるポイントなどは注目されやすいので、具体的に記載するようにしてください。

販売戦略

どのような販路で、どのようなターゲットを狙っていくのかについて記載します。製品やサービスの価格だけではなく、PRの方法や集客の方法についても記載しておくと、将来性や収益性を判断する材料になるのでおすすめです。

財務計画

どのくらい売上を上げられる見込みがあるのか、人件費や広告費などのコストはどのくらいかかるのか、最終的な収益はいくらになるのかといった、財務計画を詳細に明記してください。

どれだけ魅力的な製品やサービスであっても、財務計画がおろそかになっていると継続的な収益を上げるのは難しいです。具体的な計画を立てて、しっかりと収支のバランスを把握できるようにしましょう。

将来性・ビジョン

将来的にどんな企業を目指しているのか、どんなビジョンを持っているのかについて記載します。起業を考えている人の中には、「企業を立ち上げるのが目的」となってしまっている場合もあるため、企業を立ち上げた先に何を見ているのかを明確にしましょう。

資金融資などの際は、この将来性やビジョンがどれだけ説得力があるかが、融資が受けられるかどうかに大きく影響します。

スタートアップの事業計画書を作成する際のポイント

スタートアップ企業が事業計画書を書く際には、どのようなポイントに注目すべきなのかを理解しておくと、事業計画書を作成しやすくなるでしょう。ここでは、スタートアップ企業が事業計画書を作成する際のポイントについて紹介していきます。

  • 周りに良く見せるために必要以上に高い数値を設定しない
  • 短期的な利益よりも長期的な利益を示す
  • 予実管理で事業計画の実現性を明確にする

これらのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

周りに良く見せるために必要以上に高い数値を設定しない

見栄を張って高い目標を設定すると、現実味のない計画として逆に不信感を持たれてしまいます。必要以上に高い数値を設定した計画書をもとにビジネスを進めていっても、予定している売上と実際の売上がかけ離れすぎてしまって、計画書として役に立たなくなるでしょう。

計画書通りにビジネスを進めていこうという意欲もなくなり、ただの夢で終わってしまいます。計画書は、将来的な指針となるように現実的な数値で設定するようにしてください。

短期的な利益よりも長期的な利益を示す

投資や融資を受ける場合には、短期的な利益よりも長期的な利益が重要視されます。長期的な利益を示せるような事業計画書を作成すれば、長いスパンでビジネスをとらえていることの証明にもなりますし、将来性のアピールにもつながるでしょう。

長期的な利益を設定していないと、継続した売上を見込めないのではという疑念を抱かれてしまいます。また、企業は長期的に利益を得られないと存続が難しいため、融資を検討していない企業でも、長期スパンでの視点は必要不可欠です。

予実管理で事業計画の実現性を明確にする

予算と実績をしっかりと管理できなければ収支のバランスがすぐに崩れてしまうため、会社を継続させるのは難しいです。また、会社が成長していくと後から管理方法を変化させるのは手間や時間がかかってしまいます。

事業計画書を作成する段階から予実管理の方法を確立してしっかりと管理できれば、無理のない予算設定、予算に対しての実績の分析、次年度への予算組みなども正確に行えるようになり、失敗するリスクを軽減できるでしょう。

事業計画書の作成で失敗しないためにはツールを活用した予実管理

予実管理をするとなると、帳票や財務データの管理などに手間がかかって、本来行わなければいけない業務を進められないといったケースも考えられます。

そういった際には、ぜひScale Cloudをご利用ください。Scale Cloudなら、社内でバラバラに管理されているデータの管理に戸惑うことがありません。データをクラウド上に一元管理できるため、必要なときに必要な情報を簡単に取り出せます

予実管理についてお困りの方は、ぜひScale Cloudの導入を検討してみてください。

まとめ

事業計画書は、事業の方向性を定めるのに役立つだけでなく、資金調達を行う際にも非常に重要な役割を持つ書類です。

スタートアップ企業は、軌道に乗るまでは多大な資金が必要になりますので、しっかり根拠の立てた事業計画書が必要になります。根拠立てた事業計画書の作成には、予実管理が必要不可欠です。

事業計画書を作成する際には、予実管理に特化したScale Cloudの導入をご検討ください。

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監修者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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