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トヨタ式KPIの特徴とは|応用方法をチェックして失敗しないKPI設定を!

2021.11.04
トヨタ式KPIの特徴とは|応用方法をチェックして失敗しないKPI設定を!

製造業の在り方を変えたともいわれる、「トヨタ式KPI」。名前だけ知っているけれどその内容は詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、トヨタ式KPIの特徴やトヨタ式KPIの応用方法、トヨタ式KPIで失敗しない方法などを解説していきます。

トヨタ式KPIを応用すれば製造業以外にも有効活用ができるので、ぜひ参考にしてみてください。

トヨタでも活用されるKPI。日本発の概念「カイゼン」とは

トヨタ式KPIを解説していく上で欠かせないのが、トヨタが活用している日本初の概念である「カイゼン」です。この記事では、カイゼンとは何か、カイゼンの目的や方法などを解説していきます。

 カイゼンとは

カイゼンは業務プロセスの見直して作業の無駄を省くことです。カイゼンを行うことによって、自社の生産性を高めるための作業効率の向上が見込めます。

カイゼンは現場の作業員を中心にしており、企業では珍しいボトムアップ式で自社の問題解決を図るのが特徴です。現場の人間が中心となって、現場の人間が抱える目の前の問題に対する解決策を見出していくだけでなく、自社の将来的な問題まで改善を検討していきます。

それによって、ただ会社に指示をされて動くのではなく、現場で働く社員一人ひとりが知恵やアイデアを出し合って、作業効率の向上や状況の改善などを見直すことが可能です。

問題を改善するための「改善」と区別して「カイゼン」と表記されており、海外でも「Kaizen」として通用する言葉となっています。

 カイゼンの目的 

カイゼンでは、社員の業務負担の軽減、社員全体の意識改革が大きな目的となります。

カイゼンを実施することで、社員一人ひとりが問題意識を持って自ら考えて行動するようになるため、会社にとっても利益をもたらす可能性が高い傾向です。

現場の作業員だからこそ見える、今まで表面化してこなかった無駄な作業を省ければ、社員の負担や不満も減って作業効率がアップします。意見がボトムアップ式に反映されれば、社員のモチベーションも高まって社内全体の意識改革にもつながるでしょう。

カイゼンの方法 

カイゼンを行う場合はまず、「無駄な作業がないか」、「さらに効率化できる方法がないか」など、改善すべき点を見つけるところから始めましょう。そこから、どのように解決していくかを、実際に社員全体でアイデアを出しながら模索します。

必ずしも大きな改善点を見つける必要はなく、今の人材や予算、時間などを考慮した上で小さいことから初めていくと良いです。

アイデアが見つかったら実際に取り掛かってみてください。最初から完璧である必要はありません。行動に移すことで、さらに良いアイデアが浮かぶ可能性もありますし、うまくいかなければ軌道修正を行っていけば良い方法にたどり着けます。

トヨタ式カイゼンの特徴

トヨタ式カイゼンについて理解したところで、さらに特徴を深掘りしていきます。トヨタ式カイゼンには以下の5つの特徴があるので、見ていきましょう。

  • 5S
  • ジャスト・イン・タイム
  • 自働化
  • 「なぜ」を5回繰り返す
  • 見える化

5つの特徴について、順を追って紹介していきます。

5S 

トヨタ式カイゼンの5Sとは、以下の5つを指します。

  • 整理
  • 整頓
  • 清掃
  • 清潔
  • しつけ

一見当たり前のようなことばかり並んでいると感じる方もいるかと思いますが、カイゼンには徹底的に無駄を省くという考え方が根本にあります。

現場が整理整頓されていなければ、「必要な物の場所が分からない」、「物が乱雑に並んでて取り出すのが大変」となれば、その分作業時間や手間が増えてしまうでしょう。

5Sでは見た目を綺麗にするだけでなく、「何がどこにあるか」を社員全員が把握できる状況を作ることで、無駄を減らして作業効率を上げる必要があります。さらに、清掃によって衛生的で清潔な現場を保ち、安全性を保証するのも重要です。

また、これらの整理・整頓・清掃・清潔を習慣化するための「しつけ」も、トヨタ式カイゼンの第一歩につながります。

ジャスト・イン・タイム 

ジャスト・イン・タイムは、不要な在庫を抱えることなく「必要な物を必要なときに必要な分だけ生産する」などの、無駄をなくしていく考え方です。

ただ生産するだけでなく、生産にかかる時間やコストなどを細かく管理して生産を効率化して、在庫の圧縮や生産コストの最小化を目指します。

在庫が増えてしまえば、その在庫自体が無駄になるだけでなく、在庫管理のためのスペースの確保などの無駄な作業も増えてしまうため、こうした「ジャスト・イン・タイム」の考え方が重要です。

7つのムダ 

7つのムダは、カイゼンにつなげていくための排除するべき無駄な項目です。

  • 作りすぎのムダ
  • 手待ちのムダ
  • 運搬のムダ
  • 加工そのもののムダ
  • 在庫のムダ
  • 動作のムダ
  • 不良を作るムダ

付加価値を生むことのない無駄を極力排除すれば、原価低減の達成や業務改善を目指せます。

特に、「在庫のムダ」は在庫がなぜそこにあるのかを明確にしてください。その在庫がある理由が分からない場合は、在庫のムダです。在庫は完成品だけでなく、材料や部品、仕掛品なども全て対象になります。

自働化 

自働化は「自動化」とは違って「働く」という文字が使われていますが、読み方は同じ「じどうか」です。これは、機械の動きだけでなく人間の知恵による判断を行う工夫を指します。

トヨタでは、機械による生産作業中に問題が起こった場合、機械が自動的に止まって責任者に報告をするというシステムがあるため、不良品に気付かずに生産され続けてしまうというムダの排除が可能です。

問題がすぐに発覚するだけでなく、どこで問題が起こっているのかも明確化しているので、人間の作業の無駄も省けます。

「なぜ」を5回繰り返す 

トヨタ式カイゼンでは、何かしらの異常が起きた場合は「なぜ」を5回繰り返して、原因だけにとどまらず、真因を突き止めます

こうすることで、何度も同じようなトラブルを起こして時間や手間が発生するのを防ぎ、業務効率化や生産性向上につながるのです。

何度も同じミスを繰り返さないためには、原因を調べるだけでなく、そこからさらに具体的な要因を追求して、根本の真因はどこなのかを明確にする必要があります。

見える化 

トヨタ方式の「見える化」とは、現場の状態を目で見て管理して、正常か異常かの判断をする仕組みをいいます。

見える化によって、生産現場の作業の順序や管理方法、進捗チェックの方法などを常に見える状態にして、異常や問題が起こっている場合にはすぐに発見・解決ができるような環境に整えました。

どう活かす?トヨタ式KPIの応用 

トヨタ式KPIを応用すれば、製造業以外でも活用が可能です。ここでは、製造業以外でトヨタ式KPIを導入する場合には、どのように行えば良いのかを解説していきます。

人材育成 

人材教育の場面でトヨタ式KPIを応用する場合でも、余計な動きや作業の無駄はないかを抽出することで、カイゼンが可能です。

また、職種ごとの業態に特化した品質やコスト、納期などを考慮した業務の方針を決めて、その方針に合わせて教育を行うことで自社に適した人材を効果的に育成できます。さらに、現場に即した教育を行えば、教育内容と実際に行う業務とのギャップが少なく、無駄がありません。

営業 

営業の場面でトヨタ式KPIを応用する場合、例えば「営業資料の作成に無駄はないか」、「営業を行う際に効率化できる作業はないか」などをチェックすれば、無駄の削減につながります。

動作の無駄が軽減できれば、アポイント件数や訪問件数の増加も可能です。また、企業によっては昔からある仕組みや営業方法などが確立されているケースが多いですが、今の時代には即していない場合もあります。一見すると必要に思える項目やアクションも、今一度見直して無駄を省きましょう。

飲食 

飲食の場面でトヨタ式KPIを応用する場合、製造業と同じく作りすぎの無駄、加工の無駄、動作の無駄などが軽減可能です。

「材料の在庫を抱えすぎていないか」、「料理を作る工程で省ける作業はないか」などを確認して無駄を省けば、会社全体の利益向上につながります。また、お昼時などに店内が混雑してミスが増えてしまう場合などは、原因を突き詰めてミスの真因は何かを把握するようにしましょう。ミスが減れば顧客からの満足度を高められる可能性が高まります。

トヨタ式KPIで失敗しないために企業が考えるべきこと

トヨタ式KPIを取り入れる際、ただ単にマネをすれば良いというわけでもありません。

業種はもちろん、企業ごとの作業内容や抱えている課題などによっても行うべき対策は異なります。ここでは、自社の業種にあったトヨタ式KPIを行う場合に企業が注意すべきことを4つ紹介していきます。

  • 優先すべきは作業改善
  • 組織レベルに合わせた目標設定
  • まずはPDCAサイクルで改善する
  • 失敗は原因を把握する

トヨタ式KPIの導入で失敗しないためにはどうすれば良いのか、確認していきましょう。

優先すべきは作業改善 

トヨタ式KPIで失敗しないためには、まず作業改善を優先すべきです。どんな企業でも、「生産性の向上」は重要な課題となります。

機械化して作業改善をするのも良いですが、作業の無駄をなくして1時間かかっていた業務を30分に短縮するなどの作業改善も大切です。

機械化を進めれば生産性の向上が期待できますが、設備投資などによって原価がアップしてしまう可能性も高まります。作業改善によって業務を効率化すれば余計な経費を支払って機械化する必要もなくなり、最小限の経費で抑えることも可能です。

まずは、作業改善の見直しをして無駄をなくした上で、機械化が必要かどうかを検討しましょう。

組織レベルに合わせた目標設定

トヨタ式KPIを応用する場合は、自社の組織レベルに合わせた目標設定をするようにしましょう。企業の現状や社員のスキルなどを考慮した上で、組織に合わせた目標を設定することで社員のモチベーションややる気の向上も期待できます。

また、高い目標を設定して社員全体のチャレンジ精神を推奨するやり方もありますが、目標達成できなかった場合にチャレンジ精神を失ったり、モチベーションややる気を低下してしまうリスクがあるという点に注意してください。

高い目標を設定したい場合は、目標達成できなかった場合のサポートやケアなどを組織単位で事前に整えておく必要があります。

まずはPDCAサイクルで改善する 

トヨタ式KPIを取り入れようと思っても、今まで全く経験がないことをいきなり始めるのには抵抗がある方も多いでしょう。

いきなり行動に移すのが不安という方は、まずPDCAサイクルに沿って行動をしてみてください。PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の4つからなるサイクルです。

まずは計画を立てて実行、評価、改善の流れを意識して行動し、慣れてきたらDCAPの順番で行えるようにしていきましょう。

Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)→Plan(計画)の流れで、行動をしてから考えるという習慣をつけて、成功したらさらに改善、失敗したら真因を突き止めて修正を行うというフローをこなしていけば、トヨタ式KPIの成功スタイルを確立できます。

失敗は原因を把握する

まずは実際に行動に移してみて、「どうして失敗したのか」を徹底的に追求することで、失敗原因の把握が可能です。失敗原因が分かっていれば、その原因を改善して失敗をなくし、次の手を考えて取り組めます。

DCAPのサイクルで行う場合、手数で勝負しようとさまざまな施策を打ち出す企業が多い傾向です。数で勝負するのは悪いことではありませんが、それぞれの施策で成功した理由と失敗した原因を把握できなければ、企業の成長につながりません。

失敗した場合には、必ず原因を突き止めて、どこを改善すれば成功につながるのかを把握できるようにしましょう。

 KPIの見える化や管理にはScale Cloud 

KPIの見える化や管理には、KPIマネジメントツールのScale Cloudをご利用ください。Scale Cloudでは、事業全体の数値を企業全体で把握できるため、社員全体で協力をしながらKPI達成に向けて行動できます。

情報を自動で集めて管理できる

Scale Cloudでは、自社の売上や利益、キャッシュフローといった、各部署ごとにバラバラになっているデータや情報を自動で集めて一元管理できます。それによって、あらゆるデータをすぐに確認・分析ができるようになり、KPI設定や管理も容易です。

また、一元管理をしていることで企業全体でのKPIデータの共有もしやすく、進捗確認もリアルタイムで行えます。

 KPIツリーで見える化 

Scale Cloudでは、事業や部門ごとのビジネスモデルに合わせて、それぞれのKPIツリーを設計することが可能です。

さらに、KPIツリーを設計すれば、それぞれの事業構造がKPIツリーでフォーマット化できるため、最終目標であるKGIを達成するためにはどんなKPIを設定すれば良いのか、各KPI同士の関係性はどうなっているのかなどが一目で把握できるようになります。

直感操作で使いやすい 

Scale Cloudはさまざまな機能を直感的に操作しやすいのが大きなメリットで、BIツールのような高度なスキルや経験などは一切不要です。

IT関連の知識がない方でも簡単に操作することができるため、社内全体で共有しやすく、特別な研修なども必要ありません。

まとめ

トヨタ式KPIでは、「カイゼン」の概念が重要です。カイゼンとは、業務プロセスを見直して作業の無駄を省き、生産性を高めることをいいます。

カイゼンは、社員の業務負担の軽減や社員全体の意識改革が大きな目的です。トヨタで活用されていることから、製造業で導入されているケースが多いですが、応用すればさまざまな業種や職種で利用できます。

トヨタ式KPIで失敗しないためには、作業改善を優先する、組織レベルに合わせて目標を設定するなどの注意が必要です。まずは自社の作業改善から始めて、生産性や業務効率を高めていきましょう。

Scale Cloudは、KPIの見える化や管理に役立つKPIツールです。企業の生産性向上や業務効率を図るために、ぜひ利用を検討してみてください。

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監修者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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