ユニコーン企業とは?日本の注目企業をまとめて紹介

2022.06.21
ユニコーン企業とは?日本の注目企業をまとめて紹介

近年、世界各国で次々と生まれている「ユニコーン企業」。創業からわずかな期間で圧倒的な事業的インパクトをもたらしているユニコーン企業は、世界の経済を牽引する存在ともいえます。

今回はユニコーン企業の定義や世界中で増えている背景を説明しつつ、日本のユニコーン企業を紹介したいと思います。「ユニコーン企業とは何なのかを詳しく知りたい」「日本のユニコーン企業にはどんな会社があるのか知りたい」といった方は、ぜひご覧ください。

ユニコーン企業とは

ユニコーン企業とは、創業10年以内に10億ドル以上の評価額が付けられている非上場企業を指します。

アメリカのカウボーイ・ベンチャーズ社の創業者で、ベンチャーキャピタリストでもあるアイリーン・リー氏が提唱した概念で、その当時はFacebook(現Meta)社やTwitter社など、わずか39社ほどしか存在しませんでした。

非常に稀な存在であることから、伝説上の生物の名前をとってユニコーン企業と命名されています。

アメリカの調査会社「CB Insights」によると、2022年3月現在で世界のユニコーン企業は約1,080社となっています(CB Insights「The Complete List Of Unicorn Companies」より)。

昔と比べると多少は増えましたが、世界で約1,000社なのですからまだまだ数は少なく、幻の生物といっても過言ではないでしょう。この数値からも、10年で10億ドルという評価額を獲得することが、いかに難しいのかが分かります。

デカコーン企業/ヘクトコーン企業

ユニコーン企業の上位概念で、同じく創業10年以内に評価額が100億ドルを超える企業を「デカコーン企業」、1,000億ドルを超える企業を「ヘクトコーン」企業と呼びます。ただし、一般的に「ユニコーン企業」と呼ぶ際は、これらのデカコーン企業やヘクトコーン企業も含めて呼ぶことがほとんどです。

ちなみに2022年現在、創業10年以内の非上場企業でもっとも評価額の高い企業は、Tiktokを提供している中国の企業Bytedance社です。評価額は1,400億ドルにものぼります。宇宙開発を手がけていて、イーロンマスクがCEOを務めているアメリカのSpaceX社が1,000億ドルで続いています。

世界中でヘクトコーンである企業はこの2社だけです。

ユニコーン企業は世界で増加傾向にある

先ほども紹介したCB Insightsの調査内容を見ると、世界のユニコーン企業数は増加傾向にあることが分かります。ここでは、世界のユニコーン企業の数や増加している理由などを見ていきましょう。

世界のユニコーン企業数

ユニコーン企業数
2018227
2019332
2020440
2021959
20221,066

(参考:CB Insights「The Complete List Of Unicorn Companies」)

このように、直近5年は右肩上がりでユニコーン企業数が増加していることが分かります。2022年には1,000社を超えました。

ユニコーン企業が増加している理由

では、なぜユニコーン企業が近年増加しているのでしょうか。その背景は大きく分けて2つあります。

まず1つが、インターネットやITの普及によって、全世界を商圏とする企業が増えたことです。ヒットするインターネットサービスは国境を越えて世界中で活用されており、莫大なユーザーを抱えています。

高い製造コストのかかる商材と比べると比較的手を出しやすいのがインターネットサービスの特徴でもあり、低コストで世界を狙えることを考えると、創業間もないスタートアップがユニコーンに駆け上るのにもっとも適した業種ともいえるでしょう。

実際にユニコーン企業のリストには、数多くのインターネットサービス・クラウドサービスが並んでいます。

もう1つは、資金調達の方法が多様化したことです。ベンチャーキャピタリスト(VC)から資金調達をするという選択肢が世界各国で一般的な資金調達方法となり、VCファンドが扱う金額も徐々に大きくなっています。

そのため。ベンチャー企業は早期に上場を狙わなくとも、資金を得て事業を成長させていく手段を得られるようになりました。

非上場のほうがスピーディに意思決定を行えるシーンも数多くあり、「資金調達が可能なのであれば」と上場を先送りして、非上場のまま成長を続ける企業が増えたこともユニコーンが増えたことの一因でしょう。

世界で活躍しているユニコーン企業の例

先ほど、現在のユニコーン企業Top2がBytedance社とSpaceX社であるということを紹介しました。さらに何社かユニコーン企業を見ていくと、2022年3月現在の評価額ランキング3位と4位にはStripe社(アメリカ)とKlarna社(スウェーデン)といずれもFinTech系の決済サービス関連の会社が並びます。

また、5位には有名なオンラインゲーム「フォートナイト」を提供するEpic Game社が名を連ねています。

日本は世界的に見るとユニコーン企業が少数

世界のユニコーン企業の数が増加している一方で、日本のユニコーン企業数はまだまだ少ないといわれています。では、なぜ日本のユニコーン企業は少ないのでしょうか。その理由は主に2つあります。

ベンチャーキャピタルが少ない

まず1つが、海外に比べるとベンチャーキャピタルによる投資がまだまだ盛んとはいえないからです。

もちろん、数年前と比べると投資額も大きくなりました。日本のスタートアップも数十億単位の大型資金調達をするケースが増えたように、日本のベンチャーキャピタルも増えてきていることが分かります。

しかし、それでもまだ日本のベンチャーキャピタルの投資額はアメリカの約1/50とされているため、ユニコーン企業を増やして日本経済を盛り上げていくためには、積極的なベンチャー投資が必要であるといえるでしょう。

起業する人の数が少ない

そもそも日本で起業をする人が少ないことも、ユニコーン企業が少ない原因の1つとなっています。

米国バブソン大学と英国ロンドン大学ビジネススクールの起業研究者達が集い、「正確な起業活動の実態把握」「各国比較の追求」「起業の国家経済に及ぼす影響把握」を目指したプロジェクトチーム、通称GEMで行われた調査では、日本で「起業の機会があるか」という問いに「ある」と回答した人は18〜64歳のわずか10.6%にとどまり、調査した50カ国で最低の割合だったそうです。

日本で起業する人の数が少ない原因はいくつかありますが、終身雇用や年功序列など昔から存在しているビジネス上の風習から、多くの日本人が安定性を求めるマインドになっていることが挙げられるかもしれません。

また、学校教育においてもアイディアや思考力を強化する授業が少なく、決まった答えをいかにして導き出すかに重きを置く教育が多いことも理由として考えられるでしょう。

日本でユニコーン企業に数えられている会社

では、日本の数少ないユニコーン企業には、どのような会社があるのでしょうか。現在日本でユニコーン企業として数えられている会社はどのような事業を行っているのか、見ていきましょう。

株式会社Preffered Networks

株式会社Preferred Networksは、IoT分野への活用を中心としたディープラーニングの研究と開発を行っています。

デバイスが生み出す膨大なデータを、ネットワークのエッジで分散協調的に処理する「エッジヘビーコンピューティング」を提唱しており、交通システム、製造業、バイオ・ヘルスケアの3つの重点事業領域を中心に、さまざまな分野でイノベーションを実現することを目標に掲げています。

スマートニュース株式会社

スマートニュース株式会社は、スマートフォン用のニュースアプリスマートニュース(SmartNews)を提供しています。

スマートニュースは、全国紙をはじめとするニュースメディアと連携し、インターネット上で話題になったニュースを配信、アプリ上で読めるようになっているスマートフォン向けのアプリです。

アプリは世界各国で配信されており、特に日本とアメリカでは合わせて5,000万ダウンロードを記録し、月間2,000万人の利用者がいるとされています。

株式会社SmartHR

「社会の非合理を、ハックする」をミッションにクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供しているのが株式会社SmartHRです。

SmartHRは、人事・労務の業務効率化を実現し、働くすべての人の生産性向上を支える

「クラウド人事労務ソフト」を目指しています。具体的には、入社手続きや年末調整などの人事・労務部門が抱える多様な労務手続きをペーパーレス化することが可能です。

その結果をデータとして蓄積し、さまざまな勤怠や給与計算システム等と連携することで、データを一元管理できます。

2022年は創業者の宮田さんが代表取締役を退き、CTOだった芹澤さんが新代表取締役に就任したことでも話題になりました。現在宮田さんはSmartHRグループのNstock株式会社を改めて創立しています。

株式会社TRIPLE-1

最先端プロセス技術を用いて半導体を設計・開発しているのが株式会社TRIPLE-1です。TSMC社製7nmプロセスを採用したBitcoinマイニング用ASICの最新高性能版「KAMIKAZE Ⅱ」や、世界最先端 5nmプロセスを採用するディープラーニング向けAIプロセッサ「GOKU」を開発・提供しています。

Spiber株式会社

Spiber株式会社はバイオ素材開発のスタートアップです。微生物発酵プロセスによって作られる、構造タンパク質素材「Brewed Protein(tm)(ブリュード・プロテイン(tm))」の開発を通じて、サステナブルな社会の実現のために地球規模の課題解決を目指しています。

株式会社TBM

株式会社TBM(ティービーエム)は、石灰石を原料にプラスチックや紙の代替となる素材「LIMEX」を生産する素材開発のスタートアップです。環境配慮型の素材および製品の開発でサステナビリティ革命を起こすことを目標としています。

株式会社クリーンプラネット

Clean Planetは、エネルギー革命を推進するスタートアップです。通常の水素燃焼の 1,000倍以上もの熱発生効率を生み出しながら環境に一切負荷をかけない、安全かつ安心のエネルギー「Quantum Hydrogen Energy(量子水素エネルギー)」の開発第一歩を成功させました。

2019年には他産業との連携も開始し、東北大学電子光理学研究センター内の先端イノベーションラボ(三神峯ベース)とクリーンエネルギー・エンジニアリング&プロダクト(川崎ベース)を拠点に、社会実装にむけて先端科学の理論化と汎用化を進めています。

株式会社Mobility Technologies

株式会社Mobility Technologiesは、タクシー配車アプリ『GO』を提供している企業です。タクシー車両とリアルタイムな位置情報連携との高度な配車ロジックで、「早く乗れる」体験を実現しています。

タクシー内に設置されているデジタルサイネージメディア『Tokyo Prime』も提供しています。

GVE株式会社

GVE株式会社はデジタルトランスフォーメーション・プラットフォームの開発及び運営を担っている企業です。

「世界最高のセキュリティレベルで、これらをスマホ上で全て行えるDXプラットフォームを創れば、世界にインパクトがあるビジネスができるのではないか」をモットーに掲げ、CBDCプラットフォームと外貨準備高ユニオンを開発しています。

株式会社HIROTSUバイオサイエンス

HIROTSUバイオサイエンスは 、線虫がん検査に関する世界最先端の線虫行動解析技術と臨床研究成果で、がん早期発見の実現に貢献している企業です。心身ともに健やかな「未来」、生物の能力を活かす「未来」、研究者が輝く「未来」を目指し、日々邁進しています。

まとめ

資金調達方法が多様化したことで、世界的には増加傾向にあるユニコーン企業。もちろん日本でも徐々にその数は増えているものの、世界と比べるとまだまだ少ないのが現状です。

その理由としては、アメリカなどと比べると起業家の数が少ない、ベンチャーキャピタルの数も少ないなどが挙げられます。海外に比べると気軽に起業がしにくい日本ですが、そんな日本から生まれたユニコーン企業もあります。これから起業をしたい、ユニコーン企業を目指したいという方は、ぜひ下記の資料を参考にしてみてください。

監修者

広瀬好伸
株式会社ビーワンカレッジ 代表取締役社長

プロフィール

京都大学経済学部卒、あずさ監査法⼈にてIPO準備や銀⾏監査に従事。
起業後、公認会計⼠・税理⼠として、上場企業役員、IPO、M&A、企業再⽣、社外CFOなどを通じて600社以上の事業に関わる。

公認会計士、 IPOコンサルタント、社外役員として計4度の上場を経験。
株式会社i-plug社外役員、株式会社NATTY SWANKY社外役員。

成長スピードの早い企業におけるKPIマネジメントやファイナンス、上場準備や上場後の予算管理精度の高度化といった経験を踏まえ、KPIのスペシャリストとして、日本初のKPIマネジメント特化SaaS「Scale Cloud」の開発・提供やコンサルティングに注力。
従来のマネジメント手法を飛躍的に進化させ、企業の事業拡大に貢献中。

講演実績

株式会社セールスフォース・ドットコム、株式会社ストライク、株式会社プロネクサス、株式会社i-plug、株式会社識学、株式会社ZUU、株式会社あしたのチーム、ジャフコグループ株式会社、トビラシステムズ株式会社、株式会社琉球アスティーダスポーツクラブなどの主催セミナー、日本スタートアップ支援協会などの経営者団体、HRカンファレンスなどのカンファレンス、関西フューチャーサミットなどのスタートアップイベントなどにおける講演やピッチも実績多数。

論文

『経営指標とKPI の融合による意思決定と行動の全体最適化』(人工知能学会 知識流通ネットワーク研究会)

特許

「組織の経営指標情報を、経営判断に関する項目に細分化し、項目同士の関連性を見つけて順位付けし、経営に重要な項目を見つけ出せる経営支援システム」(特許第6842627号)

アクセラレーションプログラム

OIH(大阪イノベーションハブ)を拠点として、有限責任監査法人トーマツ大阪事務所が運営するシードアクセラレーションプログラム「OSAP」採択。

取材実績

日本経済新聞、日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ、週刊ダイヤモンド、Startup Times、KANSAI STARTUP NEWSなど。

著書

『飲食店経営成功バイブル 1店舗から多店舗展開 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』(合同フォレスト)

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